- 変更日:
- 2024.09.09
注文住宅を建てる際は、住宅省エネ2024キャンペーンを利用できる可能性があります。
本制度を利用することで、工事にかかる費用の一部が補助され、費用負担を軽減できます。
しかし、キャンペーンのうちどの事業を利用できるのか、どのように申請すればよいのかなど、わからないことも多いでしょう。
この記事では、住宅省エネ2024キャンペーンについて以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 住宅省エネ2024キャンペーンの概要や利用方法
- 子育てエコホーム支援事業と給湯省エネ2024事業の補助対象や補助金
- 住宅省エネ2024キャンペーンを利用する際の注意点
住宅省エネ2024キャンペーンを理解し、なるべくお得に家が建てられるよう準備しておきましょう。
新築の住宅購入でもらえる補助金・助成金・税金優遇(減税)制度について最新情報が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※本記事は、子育てエコホーム支援事業事務局「住宅省エネ2024キャンペーン」をもとに作成しています。
目次
1.住宅省エネ2024キャンペーンとは
住宅省エネ2024キャンペーンとは、住宅の省エネ化を支援する以下4つの補助事業のことです。
住宅省エネ2024キャンペーンの補助事業
- 子育てエコホーム支援事業
- 先進的窓リノベ2024事業
- 給湯省エネ2024事業
- 賃貸集合給湯省エネ2024事業
本記事では、注文住宅の新築について利用できる「子育てエコホーム支援事業」と「給湯省エネ2024事業」を中心に解説します。
1-1.住宅省エネ2023キャンペーンとの違い
住宅省エネ2024キャンペーンでは、「賃貸集合給湯省エネ2024事業」が新設されました。
また、要件から契約日が除外され、契約日は不問となったのもポイントです。
そのほか、子育てエコホーム支援事業では主に以下のような違いがあります。
住宅省エネ2023キャンペーンとの違い
- その他の世帯の補助上限額が引き下げられた
- 注文住宅新築・新築購入要件が引き上げられた
- ZEH住宅に加え長期優良住宅が登場し、その結果ZEH住宅への補助金が引き下げられた
1-2.注文住宅の新築時に使える事業
注文住宅を新築する場合は、以下の事業が対象となります。
注文住宅の新築時に使える事業
- 子育てエコホーム支援事業
- 給湯省エネ2024事業
ただし、2つの事業は併用できません。
子育てエコホーム支援事業を利用する場合、補助対象は住宅全体となり、給湯省エネ2024事業の補助対象と重複してしまうためです。
1-3.住宅省エネ2024キャンペーンを利用する方法
住宅省エネ2024キャンペーンでは、補助金の交付申請を含むすべての手続きを、キャンペーンに登録している住宅省エネ支援事業者(以下、登録事業者)が行います。
所定の工事完了後、登録事業者が住宅の取得者に代わって交付申請を行い、事務局から補助金を受け取ります。
そして、登録事業者が住宅の取得者に補助金を全額還元する仕組みです。
つまり、住宅の取得者が申請を行う必要はありません。
1-4.交付申請期間
交付申請期間 | 2024年3月29日から予算上限に達するまで ※遅くとも2024年12月31日まで |
---|---|
交付申請の予約期間 | 2024年3月29日から予算上限に達するまで ※遅くとも2024年11月30日まで |
締切は予算上限に応じて公表され、上限に達すると制度を利用できません。
申請期間内に工事を終わらせられるよう、余裕のあるスケジュールで工事を進める必要があります。
余裕のあるスケジュールを組むためには、時には無料のサポートサービスを活用し、効率よく家づくりを進めるのも手です。
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2.子育てエコホーム支援事業とは
子育てエコホーム支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦世帯が住宅を購入する、あるいはリフォームを行う際にかかる費用の一部を補助するものです。
以下より、注文住宅の新築について制度を利用できる対象者と補助対象、補助金額などについて見ていきましょう。
参考:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」
2-1.対象者
注文住宅の新築について子育てエコホーム支援事業を利用できるのは、以下のいずれも満たす方です。
【注文住宅】子育てエコホーム支援事業対象者
- 子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかである
- エコホーム支援事業者と工事請負契約を締結し、住宅を新築する方
子育て世帯または若者夫婦世帯とは、具体的には以下のような定義があります。
子育て世帯または若者夫婦世帯の定義
- 夫婦のいずれかが39歳以下(1983年4月2日以降に出生)
- 18歳未満の子どもを有する(2005年4月2日以降に出生)
2-2.補助対象
以下の1、2のいずれか、かつ3~7をすべて満たす新築住宅を建てた場合、補助対象となります。
補助対象の条件
- 証明書等により、長期優良住宅に該当することが確認できる
- 証明書等により、ZEH住宅に該当することが確認できる
- 所有者(建築主)自らが居住する
- 住戸の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下である
- 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域または災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域または地すべり防止区域と重複する区域に限る)に原則立地しないもの
- 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅にかかる届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの
- 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる
2-3.補助金額
補助金額は、長期優良住宅かZEH住宅かによって以下のように定められています。
長期優良住宅 | 100万円/戸 ただし、※の場合は原則1住戸につき50万円 |
---|---|
ZEH住宅 | 80万円/戸 ただし、※の場合は原則1住戸につき40万円 |
※以下の1かつ2に該当する区域に立地している住宅
- 市街化調整区域
- 土砂災害警戒区域または浸水想定区域(洪水浸水想定区域または高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域)
2-4.補助金の交付時期
補助金の交付時期は、交付決定後に提出した完了報告の審査完了、または2024年度末のいずれか早いほうです。
補助金は登録事業者に振り込まれ、登録事業者が補助対象者に還元します。
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3.給湯省エネ2024事業とは
給湯省エネ2024事業は、エコキュートやハイブリッド給湯機、エネファームなど、高効率給湯器を導入する際にかかる費用の一部を補助するものです。
注文住宅にエコキュートやエネファームなどを設置したい場合は、「子育てエコホーム支援事業」か「給湯省エネ2024事業」のいずれかを利用できます。
以下より、給湯省エネ2024事業の補助対象と補助金額について見ていきましょう。
参考:経済産業省資源エネルギー庁「給湯省エネ2024事業」
3-1.補助対象
給湯省エネ2024事業の補助対象となるのは、以下のとおりです。
給湯省エネ2024事業の補助対象
- 新築注文住宅や新築分譲住宅などに給湯器を購入・設置する
- 新築注文住宅や新築分譲住宅などに給湯器をリース利用で設置する
3-2.補助金額
給湯省エネ2024事業の補助金額は、以下a~cの補助額の合計です。
aの基本額に加え、給湯器の性能によって加算されるbの性能加算額と、設置のために撤去工事が必要な場合に補助されるcの撤去加算額があります。
bやcの対象外である場合は、aのみが補助される仕組みです。
<a.基本額>
基本額は、給湯器の種類に応じて以下のように定められています。
給湯器 | 補助額 | 補助上限 |
---|---|---|
ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) | 8万円/台 | 戸建住宅:2台まで 共同住宅等:1台まで |
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式 併用型給湯機(ハイブリッド給湯機) | 10万円/台 | |
家庭用燃料電池 (エネファーム) | 18万円/台 |
<b.性能加算額>
能加算額は、要件ごとに決まります。
要件 | 補助額(加算額) | |
---|---|---|
いずれか | 両方 | |
A | 2万円/台 | 5万円/台 |
B | 4万円/台 |
要件 | 補助額(加算額) | |
---|---|---|
いずれか | 両方 | |
A’ | 3万円/台 | 5万円/台 |
B’ | 3万円/台 |
要件 | 補助額(加算額) | |
---|---|---|
いずれか | 両方 | |
C | 2万円/台 |
加算要件は以下のとおりです。
加算要件
A:インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること
B:補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものであり、2025年度の目標基準値+0.2以上の性能値を有するもの、または「おひさまエコキュート」
A’:インターネットに接続可能な機種で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を有するものであること
B’:補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものであり、一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格に基づく年間給湯効率が116.2%以上のものであること
C:ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に稼働を停止しない機能を有するものであること
<c.撤去加算額>
給湯器の設置に合わせて以下の撤去工事を行う場合、その工事に応じた定額が補助されます。
工事内容 | 補助額 | 補助上額 |
---|---|---|
電気蓄熱暖房機の撤去 | 10万円/台 | 2台まで |
電気温水器の撤去 | 5万円/台 | aで補助を受ける台数まで |
4.住宅省エネ2024キャンペーンを利用する際の注意点
住宅省エネ2024キャンペーンを利用する際は、以下の点に注意が必要です。
住宅省エネ2024キャンペーン利用時の注意点
- 登録事業者に工事を依頼する必要がある
- 工事完了後に申請する必要がある
- 住宅省エネ2023キャンペーンとは併用できない
それぞれ見ていきましょう。
4-1.登録事業者に工事を依頼する必要がある
住宅省エネ2024キャンペーンを利用するためには、登録事業者に工事を依頼する必要があります。
先述のとおり、申請手続きを行えるのは登録事業者のみです。
登録事業者ではない事業者に工事を依頼した場合、キャンペーンを利用できません。
制度を利用したい場合は、ハウスメーカー・工務店に登録事業者であるかを事前に確認しましょう。
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4-2.工事完了後に申請する必要がある
住宅省エネ2024キャンペーンは、工事完了後に申請する点に注意が必要です。
着工時は受付期間内であったものの、工事が完了した時には予算上限に達して申請期間が終了していた、という可能性もあります。
天候やトラブルで工期が延長する恐れもあるため、余裕のあるスケジュールで工事を進めることが大切です。
交付申請の予約を利用するのもおすすめです。予約した場合は、予約期限または2024年12月31日のいずれか早い日まで交付申請できます。
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4-3.住宅省エネ2023キャンペーンとは併用できない
住宅省エネ2024キャンペーンと住宅省エネ2023キャンペーンを、同じ補助対象について併用することは認められていません。
たとえば、住宅省エネ2023キャンペーンを利用してエコキュートを設置した場合、同じエコキュートの設置について給湯省エネ2024事業は利用できません。
ただし、補助対象が重複しない場合は併用できることがあります。
このように、補助金制度は情報整理が大変です。
「本当に今の予算設定でいいんだろうか…」と不安に感じてしまう方もいるでしょう。
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5.住宅省エネ2024キャンペーンに関するよくある質問
ここでは、住宅省エネ2024キャンペーンに関するよくある質問とその回答を紹介します。
住宅省エネ2024キャンペーンに関する質問
- Q1.注文住宅を建てる際、ワンストップ申請は利用できる?
- Q2.ほかの補助金制度と併用できる?
- Q3.補助金は課税対象?
以下より回答を見ていきましょう。
5-1.注文住宅を建てる際、ワンストップ申請は利用できる?
住宅省エネ2024キャンペーンを利用する際、注文住宅の新築について、ワンストップ申請は利用できません。
ワンストップ申請とは、複数の事業にまとめて申請できる便利な制度です。
1つの契約に基づく工事の情報がまとめて登録され、有利な補助額になるよう工事を割り振ってもらえます。
しかし、新築住宅について利用できる子育てエコホーム支援事業と給湯省エネ2024事業は、併用できません。
そのため、注文住宅を建てて住宅省エネ2024キャンペーンを利用したい場合、ワンストップ申請は利用できません。
5-2.ほかの補助金制度と併用できる?
住宅省エネ2024キャンペーンは、都道府県や市区町村などが実施する補助金制度と併用できる場合があります。
国が実施する補助金制度と都道府県や市区町村の補助金制度は、財源が異なるためです。
併用したい場合は、都道府県や市区町村の窓口に問い合わせて確認しましょう。
一方、住宅省エネ2024キャンペーンと補助対象が重複する、国のほかの補助金制度とは併用できないため注意が必要です。
5-3.補助金は課税対象?
住宅の取得者が個人の場合、補助金は一時所得に該当するため、一定額以上は課税対象として申告が必要です。
ただし、住宅省エネ2024キャンペーンで受給した補助金については「国庫補助金等」に該当します。
確定申告書に一定の事項を記載すれば、国庫補助金等のうち固定資産の取得や改良に充てた部分の金額に相当する額は、総収入金額に算入しないこととされています。
確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付し、確定申告の際に提出しましょう。
参考:国税庁「No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき」
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まとめ
注文住宅を新築する際は、住宅省エネ2024キャンペーンのうち子育てエコホーム支援事業と給湯省エネ2024事業を利用できる可能性があります。
条件を満たせば、工事にかかった費用の一部を補助してもらえるため、経済的な負担を抑えられます。
なお、制度を利用するためには、登録事業者に施工を依頼し、申請受付期間内に工事を完了させることが必要です。まずは、住宅省エネ2024キャンペーンに対応したハウスメーカー・工務店に相談し、早めにプラン作成を始めましょう。
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