【2024年10月更新】新築住宅の固定資産税とは?減税(軽減措置)やいつから支払うかも解説

この記事は「新築住宅を建てた・これから建てる人」に向けて、新築住宅の固定資産税をこれから支払っていくのに際してまず確認したい情報をできる限り簡潔に解説しています。

この記事でわかること

  • 固定資産税とは
  • 新築住宅にかかる固定資産税の目安
  • 固定資産税の計算方法・軽減措置(減税)
  • 固定資産税の納付時期 等
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1.「新築住宅の固定資産税」のポイントまとめ

新築住宅の固定資産税の目安

評価額も税率も地域によって差があるので、あくまで目安になりますが、

土地評価額:購入価格(市場価格の70%程度)

新築住宅評価額:購入価格の60%程度

税率1.4%をかけた金額が固定資産税額の目安で、更に様々な減税措置が加わります。

新築住宅と住宅用地(土地)の合計4,000万円台の物件の場合、

固定資産税は「約15万~25万円」が目安です。

固定資産税には軽減措置がある

新築住宅と住宅用地(土地)には、それぞれ軽減措置が設けられています。

【固定資産税の軽減措置 2024年現在】
固定
資産税
新築住宅住宅用地(土地)
期間2026年3月31日までに住宅を建てると3年間
(長期優良住宅は5年間)
税額が1/2減額
内容定めなし固定資産税の課税標準が
200平米以下までは「1/6」
200平米を超えた部分は「1/3」に減額

参考:国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置
参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

新築住宅の固定資産税の納付時期

新築住宅の場合、

持ち主として1月1日を迎えた次年度に課税されます。

ただし、不動産取引において住宅用地(土地)の固定資産税は、売主と日割りで精算するのが一般的です。

その他、新築住宅に関する税金については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

2.固定資産税とは

固定資産税は「建物や土地などの固定資産に対して課される地方税」の一つです。
新築住宅を購入した場合、所有している限り毎年支払う必要があります。

2-1.固定資産税が課される対象

固定資産税の課税対象は住宅だけではなく、以下のものにも固定資産税が課されます。

  • 土地:田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
  • 家屋:住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
  • 償却資産:構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産

参考:総務省「固定資産税」

2-2.固定資産税は3年に1度評価替えがある

固定資産税は毎年同じ金額を納めるのではなく、3年に1度評価替えによって税額が変動します。

評価替えとは「固定資産税の計算のもととなる、固定資産税評価額が見直される」ことです。
一般的に、固定資産税の評価替えには、以下のような傾向があります。

固定資産税の評価替えの傾向

  • 建物:築年数によって資産価値が下がるため、評価替えによって固定資産税額は下がる。
  • 土地:経年によって資産価値は下がらないが、経済情勢によって上下に変動する。

直近では2024年(令和6年)が評価替えの年にあたり、その次は2027年(令和9年)となります。

参考:総務省「固定資産税の令和3年度評価替えへの対応
参考:松本市役所「令和6年度は固定資産税の「評価替え」の年です

3.固定資産税の相場と税額の決め方

次に「固定資産税の相場」と「税額の決め方」について見ていきましょう。

3-1.新築住宅の固定資産税の相場

固定資産税の相場の目安は以下のとおりです。

土地評価額:購入価格(市場価格)の70%程度

新築住宅評価額:購入価格の60%程度

税率1.4%をかけた金額が固定資産税額の目安で、更に様々な減税措置が加わります。

固定資産税の相場一例

4,000万円程の住宅:15万〜25万円程度/年

ただし、評価額も税率も住宅を購入するエリアや土地・建物の大きさ、構造によって異なるため、一概にいくらとは断言できません。
あくまで目安としてお考えください。

3-2.固定資産税額の決め方

新築住宅の正確な固定資産税は、建物が建築された後に確定します。
具体的には新築後1〜3ヶ月以内に固定資産税評価額を算出するために、自治体による家屋調査が行われたうえで確定します。

家屋調査では固定資産評価基準をもとに、以下の項目などから点数がつけられ、それらを合計して建物の評価が行われます。

固定資産評価基準の一例

  • 建物の構造
  • 仕上げ材の種類や使用量

購入を依頼した不動産会社にも質問しながら、価格の適正さを判断しましょう。

参考:総務省「固定資産評価基準」

固定資産税評価額の再審査

固定資産税評価額が「高すぎる」と感じた場合には再審査を依頼することができます。
再審査の申出は初めて納税通知書を受け取ってから3ヶ月以内とされています。

参考:南房総市役所「固定資産税に対する不服がある場合」

固定資産税を安くしたい場合、新築住宅を建てる際の土地の形状にも注目してみるとよいでしょう。

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4.固定資産税の計算方法、軽減措置、シミュレーション

新築住宅における固定資産税を実際に計算してみましょう。

固定資産税の計算ポイント

  • 計算式は「固定資産税額=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」
  • 新築住宅・宅地の固定資産税には「軽減措置」がある

上記を押さえたうえで、シミュレーションまで行います。

4-1.固定資産税の計算方法

家屋調査によって固定資産税の計算のもとになる固定資産税評価額が確定しますが、どのように計算されて固定資産税が算出されるのかを覚えておきましょう。

固定資産税の一般的な計算式は以下のとおりです。

固定資産税の計算式

固定資産税額 = 固定資産税標準額(評価額を基に算出)× 1.4%〈標準税率〉

参考:総務省「固定資産税」

固定資産税評価額が土地1,000万円、建物3,000万円の場合、固定資産税は以下のとおりです。

固定資産税の計算例

  • 土地:1,000万円×1.4%=14万円
  • 建物:3,000万円×1.4%=42万円

土地と建物を合わせると年間56万円もの固定資産税がかかることになります。
しかし、住宅や宅地には次のような軽減措置があります。

4-2.新築住宅・住宅用地(土地)の固定資産税の軽減措置

上記の計算方法では高額な固定資産税になってしまいますが、以下に該当する新築住宅・住宅用地の場合は軽減措置(減税)を受けられます。

新築住宅にかかる固定資産税の軽減措置

新築住宅の場合、2026(令和8)年3月31日までに新しく家を建てると固定資産税の軽減が受けられます

具体的な軽減内容は以下のとおりです。

【新築住宅の固定資産税の軽減措置】
住宅区分要件軽減内容
一戸建て住宅床面積120平米以下の部分新築から3年間は税額が1/2減額
一戸建て住宅
(長期優良住宅)
床面積120平米以下の部分新築から5年間は税額が1/2減額

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)| 税金の種類」
参考:国土交通省「令和6年度国土交通省税制改正概要

住宅用地(土地)にかかる固定資産税の軽減措置

住宅用地(土地)の固定資産税の軽減措置は以下のとおりです。

  • 小規模住宅用地:住宅用地で住宅1戸につき200平米までの部分は課税標準の1/6
  • 一般住宅用地:200平米を超える部分は課税標準の1/3

4-3.新築住宅の固定資産税シミュレーション

新築住宅と住宅用地(土地)の軽減措置がわかったところで、固定資産税をシミュレーションしてみましょう。

物件の条件は以下のとおりです。

【条件】

  • 土地面積:200平米以下(小規模宅地に該当)
  • 住宅床面積:120平米以下(通常の一戸建て住宅に該当)
  • 土地の固定資産税評価額1,000万円
  • 建物の固定資産税評価額3,000万円

上記の物件条件をもとに固定資産税のシミュレーションを行った結果は、以下のとおりです。
軽減措置が適用されると、固定資産税は半額以下になります。

【新築住宅の固定資産税シミュレーション】
固定資産税軽減措置前軽減措置後
新築住宅の
固定資産税
42万円
3,000万円×1.4%
21万円
3,000万円×1.4%×1/2
住宅用地(土地)の固定資産税14万円
1,000万円×1.4%
2万3,000円
1,000万円×1/6×1.4%
合計した
固定資産税額
56万円23万3,000円

このように、軽減措置などを活用すればお得に家づくりを行うことができます。

固定資産税などの建築費以外のコストに不安がある方は、まずは無料のHOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスで、実際の住宅プラン(資金計画含む)をつくってもらい、あなたが建てたい家には年間でどのくらいの費用がかかるのか把握しておきましょう。

疑問点やお悩みが出た際には、専任スタッフに無料で相談することもできます。

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5.固定資産税の納付時期と納付方法

固定資産税の納付時期は自治体によって異なります

例えば東京23区の場合、6月1日に納税通知が発送され、

6月・9月・12月・翌年2月の年4回

に分けて支払います。

また、納付方法は

窓口で現金払い」・「口座振替」・「インターネット決済(クレジットカード・決済アプリ等)」

などがあります。

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

5-1.新築住宅の固定資産税の初年度の場合

固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者と決められています。
新築住宅を建てた、または購入した場合の固定資産税の納付時期は、以下のようになります。

【新築住宅の固定資産税の初年度の納付】
固定資産税住宅用地(土地)の
固定資産税
新築住宅の
固定資産税
初年度の納付直接納付しないが、売主に支払うなし
内容
  • 実際に納税するのは売主
  • 不動産取引の慣習として、年間の固定資産税は引渡し日に日割り精算になる
  • 前の持ち主はいないため、購入した年には課税されない
  • 持ち主として1月1日を迎えた次年度に課税が始まる

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)| 都税Q&A

6.新築住宅の固定資産税に関する注意点

新築住宅の固定資産税には注意点があります。

  • 軽減措置を受けるためには申請が必要
  • 固定資産税を滞納すると遅延損害金が発生する
  • 床面積が同じでも建物の構造などによって固定資産税が異なる
  • 新築の軽減措置がなくなるタイミングで支払額が高くなる

それぞれについて解説します。

6-1.軽減措置を受けるためには申請が必要

固定資産税の軽減措置を受けるための「申請の有無」と「申請先」は以下のとおりです。

【申請の有無と申請先】
固定資産税申請の有無申請先
新築の一般住宅申請不要なケースもある各自治体
新築の
長期優良住宅
必要所管行政庁
住宅用地
(土地)
必要各自治体

なお、申請には期限があり、建築の翌年の1月31日までに申請しなければなりません。
ただし、新築の一般住宅の場合、申請が必要なケースもあるため、新築住宅が所在する自治体に問い合わせて確認しましょう。

参照:八王子市役所「新築家屋の減額措置
参照:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅建築等計画の認定を行う所管行政庁の検索」

6-2.固定資産税を滞納すると遅延損害金が発生する

固定資産税を滞納すると遅延損害金が発生します。

延滞金は納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて、法律で決められた割合で計算され、追加で請求される仕組みです。

延滞金の年率は年によって異なり、2024(令和6)年の延滞金は、最初の1ヶ月は年利2.4%、1ヶ月を経過した日以降は年利8.7%の遅延損害金を支払う必要があります。

参考:横浜市「延滞金について
参考:西東京市「税金の納付が遅れると延滞金が加算されます!

6-3.固定資産税は床面積が同じでも異なる

固定資産税は床面積が同じ建物であっても異なります。

なぜなら、

固定資産税評価額を決める固定資産評価基準が細かな項目まで評点付けされているためです。

具体的には、設備のグレードや建物の構造によって変わります。

6-4.新築の軽減措置がなくなるタイミングで支払額が高くなる

新築住宅の固定資産税軽減措置を受けられるのは、通常の一戸建てであれば3年間(長期優良住宅なら5年)です。

土地については継続して軽減措置が適用されますが、新築から3年経過すると建物の軽減がなくなるため、固定資産税の支払額が高くなります。

建物は築年数に応じて固定資産税評価額が下がりますが、最初の3年間ではそれほど大きくは下がらないでしょう。

家づくりのとびらコラム

固定資産税と混同しやすい「都市計画税」

固定資産税と混同しやすいのが「都市計画税」です。

都市計画税とは、市街化区域に所在する土地・家屋に課される税金で、市街化区域に新築住宅を建てる場合には、固定資産税に加えて都市計画税を支払わなければなりません。

都市計画税の税率は「制限税率0.3%」となっており、各自治体によって異なります。
例えば東京23区では「税率0.3%」ですが、栃木県高根沢町では「税率0.15%」です。

実際に年間の支出を考える際には、固定資産税と都市計画税を合わせて計算しましょう。

参考:総務省「都市計画税
参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)| 税金の種類
参考:高根沢町役場「固定資産税・都市計画税の課税標準額と税率について

7.事前に考えておくべき新築住宅の固定資産税を安くするポイント

固定資産税を安くするためには、

なんといっても空間の活用が上手なハウスメーカーに建築を依頼することが大事です。

住宅の中には一定要件を満たすことで、課税対象にならない部分があります。
例えば、住宅にロフトやウッドデッキを作ることで、固定資産税は変わらずに使用できる床面積が増えます。

同じ床面積であっても課税対象の部分と非課税の部分があるため、どのように空間を活用すれば広い住宅にお得に住めるかをハウスメーカーと一緒に考えてみましょう。

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この記事のポイント まとめ

新築住宅の固定資産税の目安は?

4,000万円台の物件の場合、「15万〜25万円」が目安です。

詳しくは「3-1.新築住宅の固定資産税の相場」をご覧ください。

固定資産税の軽減措置は?

建物と住宅用地(土地)にそれぞれあります。
ただし、建物は新築住宅に限られ、2026(令和8)年3月31日までに建てた場合に固定資産税の軽減が受けられます。

詳しくは「4-2.新築住宅・住宅用地(土地)の固定資産税の軽減措置」をご覧ください。

固定資産税の納付時期は?

固定資産税の納付時期は自治体によって異なりますが、納付回数は一括納付または分割(4回)を選択できます。

また、新築住宅を建てた場合、持ち主として1月1日を迎えた次年度に課税されます。

詳しくは「5.固定資産税の納付時期と納付方法」をご覧ください。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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