注文住宅の家に必要な土地の広さの平均・目安を紹介!坪数など用語解説も

土地や一軒家の広さには、坪数や畳数などの単位を使います。注文住宅に必要な土地の広さを考える際は、建ぺい率や容積率などを考慮することが大切です。

この記事では、どれくらいの広さの土地があれば快適に生活できるか気になっている方や調べている、これから注文住宅を建てたいと考えている方向けに、主に以下の項目を説明します。

この記事でわかること

  • 土地や一軒家の広さに使われる単位
  • 土地の広さと建物の大きさの関係
  • 家を建てる際に考慮すべきポイント

ぜひ、理想の住宅を実現するために必要な土地を入手する際の参考にしてください。

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土地購入から家づくりを始める際の基本的なポイントは「土地の探し方」の記事もご覧ください。

1.土地・一軒家の広さは坪数や畳数を使う

土地・一軒家の広さは坪数や畳数を使う

土地や一軒家の広さを示す際には、平方メートル(平米)だけでなく、坪数や畳数を使うこともあります。それぞれの単位について、確認しておきましょう。

1-1.1坪はどれくらい(何平米)?

1坪は約3.306平方メートル(平米)です。

1辺の長さを示す単位「尺(しゃく)」が6尺の正方形を「坪(つぼ)」と表現します。1尺は約0.303メートルのため、(約0.303平方メートル × 6)の2乗で約3.306平方メートルです。

坪は、従来日本で普及していた「尺貫法(しゃっかんほう)」で用いられる単位のことです。1959年の計量法改定により、尺貫法は廃止され(1966年3月まで、土地・建物の使用は可)、メートル法で記載することになりました。

しかし、日本に馴染みのある表記のため、現在でも「坪」を使うことがあります。そのため、ある程度の目安は把握しておいた方がよいでしょう。該当の坪数に3.3平方メートルをかければ、およその面積がわかります。

以下に、各坪数が何平米に当たるのかを記載しました。

  • 1坪〜約3.30平方メートル
  • 5坪〜約16.52平方メートル
  • 10坪〜約33.05平方メートル
  • 20坪〜約66.11平方メートル
  • 50坪〜約165.28平方メートル

なお、気になる土地の面積(平米)を3.3で割れば、平米がおよそ何坪であるかを求められます

例:30平方メートル ÷ 3.3平方メートル = 約9.1坪

1-2.1畳はどれくらい(何平米)?

1畳の目安は、1.62平方メートル(畳1枚分の広さ)です。関連して、1坪は約2畳にあたります。

「畳(じょう)」は、主に和室の広さを示す際に使われる指標です。洋室の広さを使う際は、同じ読み方の「じょう」で、「帖」と表記することがあります。

畳の広さは、地域によって異なるため注意しましょう。たとえば、関西地方の「京間(約1.82平方メートル)」とほかより広めであるのに対し、関東地方で使われる「江戸間(約1.54平方メートル)」とやや狭めです。

各地域で畳の広さが異なるため、不動産公正取引協議会連合会は表示規約施行規則の第10条(16)において、「畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル以上の広さ」と定めています。そのため、畳をイメージする際は、冒頭に説明した1.62平方メートルを参考にするとよいでしょう。

たとえば、6畳の部屋であればおよそ9.72平方メートルと計算できます(1.62平方メートル × 6畳)。また、25平方メートルの部屋であれば、およそ15.4畳です(25平方メートル ÷ 1.62平方メートル)。

参照元:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」

2.注文住宅の平均的な広さ(坪数)・目安

注文住宅の平均的な広さ(坪数)・目安

住宅金融支援機構が発表している「2022年度 フラット35利用者調査」(全国平均)によると、フラット35で注文住宅融資を利用した人の住宅面積(平均値)は122.8平方メートル、敷地面積(中央値)は252.7平方メートルでした。また、土地付注文住宅融資利用者の場合、住宅面積が111.5平方メートル、敷地面積201.6平方メートルです。

そのため、注文住宅(一軒家)の平均的な広さ・坪数は111〜123平方メートル(約33〜37坪)、敷地面積は202〜252平方メートル(61〜76坪)が目安といえるでしょう。同データで、建売住宅利用者の住宅面積が101.9平方メートル、敷地面積が136.9平方メートルであることを踏まえると、一般的に注文住宅のほうが、敷地面積が大幅に広いことがわかります。

参照元:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」

3.土地の広さ(大きさ)と建物の広さ(大きさ)の関係

土地の広さ(大きさ)と建物の広さ(大きさ)の関係

必要な土地の広さは、建物の広さ・大きさとイコールではありません。なぜなら、家を建てる際は、建ぺい率や容積率を考慮した上で、土地の広さを決めなければならないためです。

仮に土地と同じような広さの建物を建てると、火災の際に隣家に燃え移りやすい、庭を設置できないなどの問題が発生します。また、玄関を開けるとすぐ道路があることも、現実的ではないでしょう。

土地や建物の広さ・大きさを示す用語には、さまざまな種類があります。たとえば、敷地面積(土地面積)は建物が建つ敷地全体の面積を指すのに対し、建築面積は建物が建っている部分の面積です。また、延床面積(延べ床面積・建物面積)とは、建物各階の床面積の合計を指します。
4章でご説明する建ぺい率・容積率にも関係するため、土地・建物の面積を指す用語の違いを理解しておきましょう。

ここまで、坪数や畳数、注文住宅の平均的な広さや目安、土地の広さと建物の広さの関係ついて解説しました。専門用語や数字が多く難しい…と感じる方も多いかもしれません。

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4.家を建てる際に必要な土地の広さを考えるポイント

家を建てる際に必要な土地の広さを考えるポイント

家を建てる際、必要な土地の広さを考えるポイントは以下のとおりです。

  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 居住人数

建ぺい率、容積率、居住人数の概要や、それぞれに関わる計算式を解説します。

4-1.建ぺい率

建ぺい率とは、ある土地の面積に対する建築面積の割合を指します。1階部分の面積のみを示しているため、真上から見下ろしたときの建物の広さの割合と考えるとわかりやすいです。

建ぺい率は、以下の計算式で求められます。

建ぺい率(%) = 建築面積 ÷ 土地の敷地面積 × 100

たとえば、建築面積120平方メートル、敷地面積250平方メートルの場合、建ぺい率は48%(120平方メートル ÷ 250平方メートル × 100)です。

建ぺい率はエリアによって上限が定められています。60%が一般的ですが、40%など低めに定められている地域もあるため、注意が必要です。

自分が気になる場所の建ぺい率が知りたい場合は、管轄する市区町村役場の建築指導課や都市計画課などに問い合わせるとよいでしょう。

4-2.容積率

容積率とは、ある土地の面積に対する延床面積の割合を指します。建ぺい率と同様に、指定された容積率を超える建築はできません。

容積率は、以下の計算式で求められます。

容積率(%) = 延床面積 ÷ 土地の敷地面積 × 100

たとえば、延床面積が360平方メートル、土地の敷地が250平方メートルの場合、容積率は144%です。

容積率は用途地域によって区分されており、低ければ50%、高ければ1,000%のこともあります。住宅は200%と指定されていることが一般的ですが、地域によって低めに設定されている可能性もあるため、あらかじめ管轄する市区町村役場の建築指導課や都市計画課などに問い合わせておきましょう。

4-3.居住人数

ここまで紹介した建ぺい率や容積率は、土地の広さを考える際に法律上の観点から気にしなければならないポイントです。そのほかにも、快適に生活するためには、居住人数も考慮しなければなりません。

国土交通省は、「住生活基本計画(全国計画)」で誘導居住面積水準を定めています。誘導居住面積水準とは、豊かな住生活を実現する前提として、多様なライフスタイルに対応するために必要される住宅の面積の水準です。

一般型(誘導居住面積水準)の場合、以下の計算式で求められます。一般型とは、都市の郊外・都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定したものです。

一般型誘導居住面積水準(平方メートル) = 25平方メートル × 世帯人数 + 25平方メートル
*単身者は一律55平方メートル

たとえば、世帯人数が4人であれば、豊かな住生活を実現するために125平方メートルの面積が必要であることがわかります。

なお、計算でわかるのは土地の広さではなく、居住面積である点に注意が必要です。

参照元:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」

ここでは、土地の広さと建物の広さの関係、建ぺい率、容積率、居住人数について解説しました。事前に情報を集めたうえで、計画的にマイホームづくりにとりかかることで、後悔のない理想の家づくりに繋げられるでしょう。

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5.注文住宅の土地選びで考えておくこと

注文住宅の土地選びで考えておくこと

注文住宅の土地選びで、考えるべきことは以下のとおりです。

  • 予算はどれくらいか
  • 庭の広さをどうするか
  • 駐車場をどうするか

それぞれ解説します。

5-1.予算はどれくらいか

予算を踏まえて、注文住宅の土地の広さを決めましょう。土地にお金をかけすぎると、建物にかける予算が足りなくなり、理想の住宅を実現しにくくなるためです。

ただし、土地が広ければその分比例して価格も高くなるわけではありません。土地が広すぎると入手しようとする人が減るため、単価自体は下がることがあります。

なお、土地の価格は広さ以外の要因にも左右されるでしょう。一般的に、駅やバス停へのアクセスがよい、学校や病院が周辺にある、買い物がしやすいなど好条件の土地の価格は高いです。

5-2.庭の広さをどうするか

の広さをどうするかも、土地の広さを決める上で大切なポイントです。

ガーデニングやバーベキューなどが趣味であれば、その分広めに土地を取得したほうが有意義な生活を送れるでしょう。一般的に、バーベキューを楽しむためには10平方メートル(約3坪)以上の広さが必要とされています。

また、愛犬家であれば、自宅にドッグランのスペースを設けることがあります。広さは犬の大きさによって異なりますが、最低でも100平方メートル(約30坪)以上は必要です。

5-3.駐車場をどうするか

駐車場をどうするかという点も、一軒家に必要な土地の広さ・坪数に関係します。たとえば、自分以外に配偶者や子どもも自動車を所有している場合(2台ある場合)、33平方メートル(約10坪)程度は必要です。

なお、車を2台持つのには維持費がかかります。注文住宅を建てる際は、今後も2台持ち続けるべきかといった点についても併せて検討した上で、土地の広さを検討するとよいでしょう。

6.広さ(大きさ)で固定資産税が変わることに注意

広さ(大きさ)で固定資産税が変わることに注意

土地の広さや建物の大きさによって、固定資産税が変わることに注意が必要です。固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産の所有者が、資産価値に応じて市町村(東京23区)に納付する税金を指します。

ここから、土地と建物にかかる固定資産税の概要を確認していきましょう。

6-1.土地にかかる固定資産税

土地にかかる固定資産税を求める計算式は、一般的に以下のとおりです。

固定資産税 = 固定資産の評価額(課税標準額)× 1.4%(標準税率)*自治体によって異なる

土地にかかる固定資産税は、面積によって大きく異なる場合があります。たとえば、住宅1戸当たり200平方メートル(約60.5坪)以下の住宅用地は、小規模住宅用地として課税標準額が6分の1に抑えられます。また、1戸あたり200平方メートルを超える部分も、住宅であれば一般住宅用地として課税標準額が価格の3分の1になります。

参照元:大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置」

6-2.建物にかかる固定資産税

建物にかかる固定資産税を求める計算式は、一般的に以下のとおりです。

固定資産税 = 課税台帳に登録されている価格 × 1.4%(標準税率)*自治体によって異なる

建物にかかる固定資産税も、建物の広さや品質などによって減額されることがあります。その時期によって適用となる制度が異なるため、国土交通省のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。

参照元:国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」

7.土地の広さごとの間取りのイメージ

土地の広さごとの間取りのイメージ

住宅の間取りは、土地の広さによっても変わるでしょう。ここから、4人家族を前提に、30坪・40坪・50坪に分けて住宅の間取りのイメージを紹介します。

7-1.土地が30坪の場合

土地が30坪(約99平方メートル)であれば、4LDKの注文住宅の間取りを想定できます。

たとえば、1階にLDK(18畳)・夫婦の寝室(8畳)、2階に子ども部屋(6畳 × 2室)が可能です。そのほかに、仕事部屋(6畳)のスペースも確保できます。

ただし、30坪の土地の注文住宅ウォークインクローゼットなどを求める場合は、LDKを狭くするか、より広い土地を購入するなどの検討が必要です

▶【土地が30坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【土地が30坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック

7-2.土地が40坪の場合

土地が40坪(約132平方メートル)であれば、5LDKも可能です。平屋の検討もできるでしょう。

たとえば、1階にLDK(20畳)と子どもの学習部屋(5畳)、2階に夫婦の寝室(8畳)・子ども部屋(5畳 × 2室)・趣味の部屋(5畳)が考えられます。30坪よりも部屋を余分に確保できる分、自由度が高まる点がメリットです。

各部屋もう少し広い必要がある場合は、部屋を減らすかより広い土地を検討しましょう。

▶【土地が40坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【土地が40坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック

7-3.土地が50坪の場合

土地が50坪は、面積が約165平方メートルもあることを意味します。そのため、LDKを広くして収納力を高めるにも十分な広さです。

50坪の土地に注文住宅を建てる間取りの例として、1階にLDK(22畳)・趣味の部屋(6畳)、2階にウォークインクローゼット付きの夫婦の寝室(10畳)や子ども部屋(5畳 × 2室)、書斎(4畳)の5LDKが考えられます。

▶【土地が50坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【土地が50坪の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック

まとめ

注文住宅(一軒家)の広さには、平方メートルや坪数などの単位が使われます。平均値・中央値を考慮すると、一戸建ての敷地面積は202〜252平方メートル(61〜77坪)が目安です。

ただし、土地の広さを決める際は、 建築面積や延床面積から計算する建ぺい率・容積率を考慮しなければなりません。また、快適に暮らすためには、居住人数にあった広さを求めることも欠かせません。

さらに、自分が理想とする間取りを実現するには、ハウスメーカーや工務店のプラン資料を比較検討してみる、専門家と相談を重ねることも大切です。ハウスメーカー・工務店選びで困っているという方は、ぜひHOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス(無料)をご活用してみてください。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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