- 変更日:
- 2024.10.25
2023年度における、「住宅建築に併せて土地も購入される場合」の建築費の平均坪単価は、全国平均で約71万円でした。
この記事を読むことで、注文住宅の建築の坪単価について基礎的な考え方がわかり、周囲と比べて幾らくらいの坪単価であれば適切かを判断できるようになります。
この記事では、注文住宅の坪単価ついて以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 坪単価の計算方法
- 坪単価ごとの「家の造り」の違い
- 地域別・構造別に見る平均坪単価
- 大手ハウスメーカーと工務店の坪単価目安やメリ・デメ
- 坪単価を安く抑える3つのコツ
ハウスメーカー別の坪単価を確認したい方は下記関連記事をご覧ください。
坪単価ではなく、注文住宅の費用相場全般を把握したい方は下記関連記事をご覧ください。
まとめて依頼
目次
1.注文住宅の坪単価とは?
坪単価とは、床面積1坪(約3.3㎡)当たりの建築費がいくらになるか計算したものです。
下記の計算式で求められます。
家の本体価格÷延床面積(建物の床面積の合計)
=坪単価
例えば、家の本体価格(建築費)が2,000万円、延床面積が40坪の場合は、「2,000万円÷40坪=坪単価 50万円」と求められます。
ただし、ハウスメーカー・工務店によって「延床面積」ではなく「施工面積」で坪単価を出しているところもあります。
坪単価を見るときは、計算の基準がどちらになるか、確認しておきましょう。
1-1.家の本体価格とは?
坪単価の計算に用いられる家の本体価格とは、建築費全体の約70~80%を占める価格のことです。
本体工事費とも呼ばれ、細かなオプションによって変動しない建物部分だけの価格を指します。
注文住宅の費用詳細については、下記記事をご覧ください。
1-2.坪単価で「家の造り」にどんな差がでるかの比較
地域差などがあるため、○○円なら坪単価が高い・安いという明確な基準はありませんが、一般的には
- 50万円以下:安い
- 50万~60万円台:平均的
- 70万円以上:高い
とわけられます。
それに合わせて、坪単価に応じて「家の造り」は変わってきます。
坪単価 | 家の造りの特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
40万円 以内 |
|
|
40万~ 50万円 以内 |
|
|
50万~ 60万円台 |
|
|
70万~ 80万円台 |
|
|
80万円 以上 |
|
|
坪単価が安い場合、ローコスト住宅と呼ばれるコストを抑えた家づくりを行います。
ローコスト住宅は自由度が低い傾向にありますが、一概に「坪単価が安い=悪い家」とは言えません。
メーカーごとの企業努力により、コストを抑えているケースが多いためです。
大手・中堅・ローコスト、それぞれのハウスメーカーごとの特徴を確認した上で、検討するとよいでしょう。
関連記事
2.建築費の「平均坪単価」を様々な角度から比較
坪単価は、家を建てる地域や構造、依頼先(ハウスメーカー・工務店等)によって異なります。
まずここでは、2つの角度から平均坪単価を比較します。
- 地域別に見る平均坪単価
- 構造から見る平均坪単価
以下、それぞれ解説します。
依頼先による違いについては「3.大手ハウスメーカーと工務店、どっちがお得か比較」をご覧ください。
2-1.地域別に見る建築費の「平均坪単価」の比較
2023年度「フラット35」利用者調査に基づく、全国平均の坪単価は下記の通りです。
2023年度 建築費 全国平均坪単価
- 土地購入なし:約74.9万円
- 土地購入あり:約71.0万円
※建築費全体の70%を「家の本体価格」として算出し、平均坪単価を計算しています。
以下では、地域別の平均坪単価を、土地購入あり・なしの場合でそれぞれまとめました。
土地購入なしの場合
建築費 | 家の 本体価格 | 延床面積 | 平均坪単価 | |
---|---|---|---|---|
全国 | 3,861万円 | 2,703万円 | 119.5㎡ (36.1坪) | 約74.9万円 |
首都圏 | 4,190万円 | 2,933万円 | 120.4㎡ (36.4坪) | 約80.6万円 |
近畿圏 | 4,142万円 | 2,899万円 | 123.2㎡ (37.3坪) | 約77.7万円 |
東海圏 | 3,893万円 | 2,725万円 | 125.2㎡ (37.9坪) | 約71.2万円 |
その他 地域 | 3,624万円 | 2,537万円 | 118.0㎡ (35.7坪) | 約71.0万円 |
土地購入なしの場合、平均坪単価が一番高いのは首都圏、一番安いのはその他地域となりました。
全般的に資材費・人件費等の高騰により建築費が上昇しています。
また都市部においては、「狭小地」と呼ばれる、施工費用が高くなる狭い土地での施工が増える傾向にあるため、坪単価が高めに出たと考えられます。
土地購入ありの場合
建築費 | 家の 本体価格 | 延床面積 | 平均坪単価 | |
---|---|---|---|---|
全国 | 3,406万円 | 2,384万円 | 111.2㎡ (33.6坪) | 約71.0万円 |
首都圏 | 3,402万円 | 2,381万円 | 108.8㎡ (33坪) | 約72.2万円 |
近畿圏 | 3,415万円 | 2,391万円 | 113.5㎡ (34.3坪) | 約69.7万円 |
東海圏 | 3,491万円 | 2,444万円 | 114.7㎡ (34.7坪) | 約70.4万円 |
その他地域 | 3,384万円 | 2,369万円 | 110.8㎡ (33.5坪) | 約70.7万円 |
土地購入ありの場合、平均坪単価が一番高いのは首都圏、一番安いのは近畿圏となりました。
土地購入なしに比べて、土地代金を支払う必要がある分、建築費は抑えめにしているのがうかがえます。
2-2.構造別に見る建築費の「平均坪単価」の比較
2023年「建築着工統計調査 住宅着工統計」に基づく、構造別の平均坪単価は下記の通りです。
2023年 構造別に見る平均坪単価
- 木造:約66.0万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:約82.5万円
- RC造(鉄筋コンクリート造):約122.1万円
- 鉄骨造:約105.6万円
※1㎡あたり工事費予定額に、3.3をかけて坪単価を算出しています。
参考:e-Stat「建築着工統計調査 住宅着工統計 2023年」
RC造(鉄筋コンクリート造)が一番高く、木造が一番安い結果となりました。
施工する地域や土地の形状、工法によっても坪単価は異なります。
関連記事
3.大手ハウスメーカーと工務店、どっちがお得か比較
大手ハウスメーカーと工務店ではどちらがお得か比較しやすいよう、坪単価目安とメリット・デメリットを解説します。
大手ハウスメーカー | 工務店 | |
---|---|---|
坪単価目安 | 80万~100万円 | 50万~70万円 |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
坪単価のみで見ると、大手ハウスメーカーよりも工務店のほうがお得といえます。
ただし、工務店は技術力や保証内容に差が出やすいため、将来のメンテナンス費用もきちんと比較・検討した上でどこに依頼するかを決めましょう。
3-1.大手ハウスメーカーと工務店で坪単価の差が出るポイントは?
大手ハウスメーカーと工務店で坪単価の差が出るポイントは下記の通りです。
- 開発費
- 人件費
- 広告宣伝費
開発費
大手ハウスメーカーでは、性能や素材・工法など、日々よりよい商品のために開発を進めていることが多く、開発する際の試験や、人件費、研究費がかかる分、坪単価が高くなりがちです。
人件費
大手ハウスメーカーは、住宅展示場にモデルハウスを出展していることが多いです。
そのため、モデルハウスを案内する人の人件費などが、工務店と比べてかかります。
広告宣伝費
大手ハウスメーカーは、CMやネット広告等を積極的に行っていることが多いです。
そのため、広告宣伝費が工務店と比べてかかります。
関連記事
ハウスメーカーによって、得意な構造・工法が異なり、会社規模や地域によっても建築費用もそれぞれ違いはでてきます。
HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス(無料)では、ハウスメーカーの建築・会社情報を熟知した専任スタッフと相談の上、予算・希望条件に応じた建築プランをハウスメーカーから取り寄せることができます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
4.坪単価を抑える3つのコツ
坪単価を抑える3つのコツは下記の通りです。
坪単価を抑える3つのコツ
- 凹凸を減らしてシンプルなつくりにする
- 不要な壁や扉を減らす
- 複数社から見積りをとり、比較・検討する
それぞれ解説します。
4-1.凹凸を減らしてシンプルなつくりにする
長方形、または正方形など、箱型に近いほど工数が減るため建築費が安くなります。
土地の形状がシンプルな場合は、家のつくりもシンプルにするとよいでしょう。
4-2.不要な壁や扉を減らす
壁や扉が多いほど手間がかかり、人件費や材料費がかさみます。
広い空間にして、仕切りたい場合にはカーテンやパーテーションを使うようにするとよいでしょう。
収納スペースの扉を減らす、1階と2階を吹き抜けにするなどもコストを減らせるポイントです。
4-3.複数社から見積りをとり、比較・検討する
ハウスメーカー・工務店によって、得意分野が異なります。
例えば、狭い土地での施工が得意なメーカーと苦手なメーカーでは、苦手なメーカーのほうが建築費が高くつきます。
そのため、複数社から見積りをとり、比較・検討することで坪単価を見極めることが重要です。
HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス(無料)では、「ユーザーの希望」や「予算」に合ったハウスメーカー・工務店を専任スタッフが選定して住宅プランを取り寄せることができます。
一括で各社の住宅プランを比較検討することができるので、効率よく家づくりが進められます。
営業トークは一切ないので、ぜひお気軽にご利用ください。
関連記事
この記事のポイント まとめ
注文住宅の坪単価とは?
坪単価は床面積1坪(約3.3㎡)当たりの建築費がいくらになるか計算したものです。
下記の計算式で求められます。
家の本体価格÷延床面積(建物の床面積の合計)=坪単価
坪単価別に「家の造り」の違いを比較
坪単価別に「家の造り」と「こんな人におすすめ」の違いを比較します。
坪単価 | 家の造りの特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
40万円 以内 |
|
|
40万~ 50万円 以内 |
|
|
50万~ 60万円台 |
|
|
70万~ 80万円台 |
|
|
80万円 以上 |
|
|
詳細は「1.注文住宅の坪単価とは?」で解説しています。
建築費の平均坪単価
2023年度 全国平均坪単価
- 土地購入なし:約74.9万円
- 土地購入あり:約71.0万円
※建築費全体の70%を「家の本体価格」として算出し、平均坪単価を計算しています。
2023年 構造から比較する平均坪単価
- 木造:約66.0万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:約82.5万円
- RC造(鉄筋コンクリート造):約122.1万円
- 鉄骨造:約105.6万円
※1㎡あたり工事費予定額に、3.3をかけて坪単価を算出しています。
詳細は「2.建築費の「平均坪単価」を様々な角度から比較」で解説しています。
注文住宅の費用・相場解説記事
家づくりプラン一括依頼で
複数ハウスメーカーを比較!
家づくりに失敗しないためには、自分に合ったプランを提案してくれるハウスメーカーを見つけ、比較・検討すること。
そこでおすすめなのが「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」です。
スマホから必要事項を入力するだけで、あなたのご要望に沿ったハウスメーカーを複数社ピックアップ。
気になるハウスメーカーを最大5社までお選びいただくと、【完全無料】で家づくりプランを一括依頼することができます。
この記事の編集者