二世帯・バリアフリー住宅の4大要素!間取りのポイント・場所別の注意点を解説

現代において、二世帯住宅を建てる方が絶対に考えないといけないのが、住宅のバリアフリー化です。

「将来、必要になったらリフォームすればいい」と思っている方もいるかもしれませんが、今は不要であっても、家づくりの初期設計の段階でバリアフリー化のプランニングを怠ると、いざ必要になったときに「後付けできなかった‥」など後悔することにもなりかねません。

しかし、バリアフリー化にあたっては、具体的にどんな間取りや設備を検討したらよいかわからないという方も多いでしょう。今回は、二世帯住宅のバリアフリー化に関して、以下のポイントに絞って解説します。

この記事を読んでわかること!

  • 二世帯住宅のバリアフリー化を考えるうえで必要な四大要素
  • 新築時、バリアフリーを意識した間取りにするためのポイントや箇所別の注意点
  • 二世帯バリアフリー住宅を建てた方の失敗談
  • 二世帯バリアフリー住宅で使える補助金・助成金
  • 二世帯住宅を建てるときの注意点

バリアフリー住宅に関する基礎知識を身に着け、プランニングの際のポイントや注意点、失敗談などから、より暮らしやすい二世帯バリアフリー住宅をつくるためのヒントを得ましょう。

ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。

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1.二世帯住宅に必要なバリアフリーの四大要素

二世帯住宅を建てる際に、バリアフリー住宅の基礎知識として、まず知っておきたいのが以下の4つの要素です。これから1つずつ詳しく解説していきます。

1-1.段差の解消、手すりや滑りにくい床材で「転倒防止」

高齢者の転倒は、大けがや寝たきりにつながる恐れも十分にあるので、住居内では手すりの取り付けや段差の解消、滑りにくい床材で転倒防止を心がける必要があります。

人は高齢になると身体のバランスが保ちにくくなり、転倒のリスクが高くなります。また、小さな子供も段差や滑りやすい床材だと転びやすくなるため、日ごろから注意して見守る必要あります。

住み慣れた住居内だからと安心せず、建築する時点でバリアフリー化を行い、十分な対策を取っておきましょう。

転倒リスクに対するバリアフリー対策
対策
段差
  • 基本、段差はすべてなくす
  • 段差が必要な場合は幅員9cm以上に設計し、床の素材や色を変える
手すり

以下の箇所に取り付けを検討する。

  • 階段
  • その他段のある場所
  • 浴室
  • トイレ
  • 玄関
  • 脱衣所
  • 共用廊下
  • 傾斜路
  • バルコニー
  • 2階の窓
床材

以下の床材を検討する。

  • 無垢材
  • コルクフローリング
  • クッションフロア

1-2.介助・介護のための「広さ」

親の介護が必要になったとき、浴室やトイレなど、介助が必要な場所では十分な広さを確保しておきたいものです。狭いスペースでは介助がしづらく、最悪、事故にもつながりかねません。

1-3.将来のための「車椅子対応」

将来、住居内で車椅子を利用して移動することも視野に入れて、車椅子での通行がスムーズになる工夫も考えておくべきです。例えば、以下のような対策が考えられます。

車椅子対応を取り入れる際のポイント

  • 段差のある場所にはスロープを設置できるようにしておく
  • 廊下や通路、出入り口の幅を広めに設計する

エレベーターの設置も検討する

エレベーターを設置すれば、完全分離型の場合は親世帯の住空間を2階に設置したり、部分共有型や完全共有型の場合は共有部分を上階に設定したりできるので、間取りの自由度が高くなります。

二世帯住宅といえば、親世帯の足腰に心配になってきたら、移動の楽な1階に暮らすようにするのが一般的です。しかし、エレベーターがあればそのような配慮が不要になります。また、上階への物の持ち運びも楽になります。

予算に余裕があるのであれば、エレベーターの設置も検討しましょう。ただし、災害や停電時の対処方法はあらかじめ考えておくことが大切です。

1-4.気温の変化が少ない「住環境」

高齢者の熱中症やヒートショックを防ぐには、室内での急激な気温の変化がない、快適な住環境を保つことが大切です。

高齢者は気温や体温の変化に気付きづらく、家にいながら、知らない間に熱中症やヒートショックを起こすこともあるかもしれません。気温の変化が少ない住環境を実現するには、以下のポイントを押さえておきましょう。

気温調節がしやすい住宅にするポイント

  • 高断熱の住宅をつくる
  • 浴室には浴室暖房機を導入する
  • トイレや洗面脱衣所には小型暖房機が置けるようコンセントを取り付ける
  • 温水洗浄便座機能付きのトイレを選択する
  • フロア全体に床暖房を導入する

2. バリアフリーを意識した間取りのポイント

二世帯住宅のバリアフリー化を成功させるには、間取りを考える際に知っておきたいポイントがいくつかあります。
以下の視点でまとめたので、それぞれ確認していきましょう。

2-1.高齢者の生活や介助・介護を意識する

介護に備え、親世帯の生活動線をできるだけまとめる

親世帯の間取りは、将来介護が必要になったときスムーズに移動できるよう、そして、部屋間の温度差が避けられるよう、無駄な動線がないようプランニングしましょう。また、介護が必要になれば、外部からの介護スタッフの出入りも頻繁になります。自宅でのスムーズで安全な移動と、外部からの介護スタッフの出入りを考慮すると、以下のポイントが重要になります。

生活動線をまとめる工夫

  • 住空間を回遊できるよう各居室をつなげる
  • 被介護者の寝室は、玄関・リビング・水回り(トイレ、洗面所、浴室)の近くに配置する
  • 水回り(トイレ、洗面所、浴室)は1箇所に集中して配置する
  • キッチンは壁付けタイプにして移動距離を減らす

トイレは2個以上つくっておく

完全同居型や部分共有型の二世帯住宅の場合、トイレは2個以上つくっておくことをおすすめします。お互いがいつでも気兼ねなくトイレを利用できたほうが、ストレスが軽減できます。

小さなことではありますが、こういった小さい設計が暮らし始めてからの満足感につながるため、お互いが快適に過ごすためにもトイレは2個以上設置することをおすすめします。

また、水回りの設備は「誰かが使っていると使えなくなる」「使い方が汚い」などストレスを感じる方が多いため、共同にする場合は、使用する時間帯を含めて、初めにルールを決めておくとよいでしょう。

2-2.二階建て/三階建ての場合のポイント

1階で親世帯の住空間が完結する間取りにする

高齢になると日々の階段移動がつらくなったり、介護が必要になると車椅子が必要になったりするため、親世帯は基本1階で暮らしが完結するよう間取りを設計しましょう。

子世帯の子供が小さく、足音や声が響く時期は親世帯が上階に暮らしたほうがよいですが、将来的には親世帯が1階に住めるように計画し、いつでも居住フロアを交換できるようにしておくことをおすすめします。

親世帯が2階以上ならエレベーターを検討

どうしても子世帯が1階を使わなくてはいけない理由があったり、3階建ての1階を店舗として使ったりする家庭は、エレベーターの取り付けを検討しましょう。エレベーターがあれば、親世帯の上下移動の負担を軽減することができます。

2-3.平屋の場合のポイント

平屋住宅は、段差や廊下が少ないことから2階建てや3階建て住宅に比べて高齢になっても住みやすく、「バリアフリー化いらず」ともいわれています。

平屋の二世帯バリアフリー住宅を建てる場合、以下のポイントに気を付けましょう。

高窓で住居内全体の採光に配慮する

平屋は、周囲が自宅より高い建物ばかりの場合、日差しが自宅に入ってこないため、採光がとりづらいというデメリットがあります。窓を高めに配置することで住居内全体に自然の光が行き届くよう工夫すれば、より心地よい住空間が実現できます。

植栽や中庭で外部からの視線を遮る

平屋は、すべての住空間が1階にあるため、どこにいても外部からの視線に晒されやすいというデメリットもあります。住宅の周囲に植栽を配置したり、中庭を作ったりして外部からの視線をなるべく遮り、家族のプライバシーを確保しましょう。

また、平屋については以下の関連記事でも詳しく説明しています。気になる方は、ぜひご一読ください。

以上が、二世帯バリアフリー住宅の間取りを考えるうえで知っておきたいポイントです。

家族によって最適な間取りは変わるので、上記を参考に、二世帯でしっかり話し合って間取りを決めるとよいでしょう。また、例としてバリアフリーに特化した二世帯住宅の間取りもご紹介しましたが、上記以外にもバリアフリーに特化した間取りはたくさんあります。

「もっといろんな間取りが見てみたい」「自分たちに合った間取りが知りたい」という方は、「HOME4U 家づくりのとびら」の無料相談サービスを利用してみるとよいでしょう。

HOME4U 家づくりのとびら」であれば、一人ひとりの要望をヒアリングしたうえで、より家族に合った間取りを提案してくれるので、二世帯住の間取りがイメージしづらい方や、いろんな間取りを比較してみたい方にはぴったりです。

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3.【場所別】二世帯住宅のバリアフリー化で気を付けるべきこと

ここではもっと細かく、浴室やトイレといった場所別に気を付けたいポイントを確認していきましょう。

3-1.お風呂

お風呂

出入口の段差は設けない、あるいは2CM以下の高さにする

浴室の出入口に段差があると、つまずいて転倒するリスクが高くなります。段差を完全に解消するか、段差を設けたとしても2cm以下にすることで、転倒のリスクを軽減できます。段差を完全に解消する場合は、脱衣室が浸水しないよう排水機能を設けましょう。

ドアは割れにくい素材を選ぶ

ドアにガラスを使用すると、万が一転倒した際に大けがを負う事態になかねません。ドアにはガラスを使用せず、割れにくい素材を選ぶとよいです。

浴槽は40CM程度の深さにする

和式の浴槽は60cm程度の深さが一般的ですが、高齢者には40cm程度の深さがよいといわれています。高齢者の体格によっても変動しますが、40cmを目安に、またぎやすく、腰をかけやすい深さに設計しましょう。

手すりは最低2箇所に取り付ける

浴室は滑りやすいため、手すりは最低でも2箇所に設置しましょう。例えば、浴室に入る際に掴む手すり、浴槽をまたぐ際に掴む手すりがあれば、転倒防止や立ち上がる際の支えになります。ご両親が動きやすいよう、体格や浴室に合わせて取り付けましょう。

床材は滑りにくいものを選ぶ

浴室の床がタイルだと、濡れているときは滑りやすく、転倒のリスクが高いため、床材は滑りにくい加工がされているものを選びましょう。水はけがよい床材や、万が一の転倒時、衝撃を抑えるやわらかい床材もおすすめです。

浴室暖房機・浴室乾燥機・床暖房などを導入する

ヒートショック防止のために、浴室暖房機や浴室乾燥機、床暖房などで居室との温度差をなくすように配慮しましょう。

非常時用のブザーを設置する

高齢者の1人での入浴時、転倒や急な不調などの事態が発生したときに備え、浴室内に非常ブザーを取り付けておきましょう。非常ブザーは、ボタンを押すだけのものや、ひもを引くだけのものなど、緊急時にも操作しやすいタイプを選びます。

3-2.トイレ

トイレ

出入口は車椅子でも通れる広さに設計する

トイレの出入り口の幅は、車椅子や人が2人同時に通れる広さに設計すると介助しやすくなります。

鍵は外から開けられるようにする

外からでも鍵が開けられるようにしておけば、万が一、高齢者がトイレの中に閉じ込められた場合でも気付いた家族が救出することができます。

理想の寸法は1,820MM×1,820MM

トイレの介助が必要になることに備えて、トイレには人が同時に2人入れるスペースを確保しなくてはいけません。理想の広さは幅1,820mm×奥行1,820mm、つまり2畳程度です。2畳あれば、十分な介助スペースが確保でき、トイレ内で車椅子の方向を変えることも可能になります。

滑りにくく、汚れが残りにくい床材を選ぶ

万が一トイレの中で転倒してしまうと、壁や便器に頭や体をぶつけてしまい、大けがを負うリスクがあるため、滑りにくい床材を選びましょう。

また、高齢になると体が思うように動かず、床を汚してしまうことも多いかもしれません。汚れが残りにくく、抗菌作用がある床材であれば掃除がしやすく、永く清潔感を保つことができます。

縦向き・横向きの手すりを取り付ける

トイレの手すりは、ドアを開閉する際に掴みやすい縦向きの手すりと、便器に行くまでを支える横向きの手すりがあると安心です。また、便器の両側にL字型の手すりを設置すると、介助する人の使い勝手もよくなります。

多機能タイプのトイレを取り付ける

便座昇降装置が付いたタイプや、洗浄レバー・ボタンが手の届きやすい場所にあるタイプなど、多機能なトイレを選びましょう。トイレの際の高齢者の体の負担を軽減し、自立をサポートしてくれます。

床暖房や温風機などを導入する

ヒートショック防止のために、床暖房や温風機などで居室との温度差をなくすように配慮しましょう。温風機を導入する場合は、コンセントを多め設置しておくとよいです。

3-3.ドア(引き戸)

ドア(引き戸)

浴室のドア

浴室のドアの幅は、広めに設計することで介助の際にも動きやすいです。引き戸のドアを選べば、折り戸よりも開口部を広めに設計しやすいのでおすすめです。

トイレのドア

一般的なドアを設置すると、出入り口部分に段差ができるので転倒のリスクが高くなります。転倒防止のために、トイレのドアには段差が生じない吊り下げタイプの引き戸を選ぶとよいです。

玄関ドア

玄関ドアは引き戸を選ぶとともに、ドアが閉まるスピードがゆっくりになるようにドアクローザーを調整し、ドアに物や指などを挟まないよう配慮しましょう。

3-4.階段や廊下

階段や廊下

バリアフリー仕様の寸法にする

階段や廊下は介助すること、車いすを使用することなどを前提に、段差や幅に注意する必要があります。具体的な数値の基準は下記を参考ください。

階段をバリアフリー仕様にする際の寸法

  • 階段幅75㎝以上
  • 1段分の高さ「蹴上げ(けあげ)」20cm程度

廊下をバリアフリー仕様にする際の寸法

  • 有効幅員78cm以上(柱部分75cm以上)
  • 車椅子を利用する場合は有効幅員85cm以上(突出部80cm以上)

床材は滑りにくい素材にする

階段の床材は、滑りや踏み外しを防ぐために、コルク素材を使用する、滑り止めを付けるなど工夫をしましょう。廊下の床材は、車椅子での移動も考慮し、滑りにくく、傷に強い素材がよいでしょう。

手すりは両側に設置する

階段や廊下に付ける手すりは、利き手にあったほうが便利です。行きと帰りでは方向が逆になるため、手すりは両側に設置し、いつでも利き手で支えられるようにしましょう。

階段はU字に設計し、踊り場をつくる

万が一、階段の昇降中に転倒してしまった場合、一直線の階段では一気に下まで転げ落ちてしまう恐れがあります。U字階段であれば、足を踏み外したとしても踊り場でいったん壁があるので、けがの度合い抑えることができそうです。また、踊り場のほうが傾斜を緩やかに設計しやすく、昇降中に一休みすることもできます。

足元にも照明を付ける

天井に照明が付いているのは一般的ですが、階段や廊下には足元にも照明があったほうが安心です。夜中にトイレに行くときには、階段の天井照明のスイッチを押すために暗がりを歩かなくてはいけません。フットライトで足元が見えれば、転倒防止につながります。

昇降機やエレベーターを付ける

昇降機やエレベーターが住居内にあれば、車椅子を利用していても上階へ移動することができます。部分共有型で、1階だけで生活が完結できない場合や、親世帯が2階に住む場合は検討しましょう。

3-5.玄関のスロープ

玄関のスロープ

勾配は屋内1/12・屋外1/15に設計する

「建築物移動等円滑化誘導基準」(バリアフリー法)では、屋内の勾配は「1/12」、屋外は「1/15」を基準とし、それ以上の勾配をもつスロープは手すりを設けることが義務付けられています。例えば、屋内玄関の段差が10cm程度ある場合には、120cm程度のスロープを設けるとよいです。

幅は100CM程度に設計する

「建築物移動等円滑化基準」(バリアフリー法)では、公共施設におけるスロープの幅は、120cm以上と定めています。自宅の場合は100cm程度の横幅があれば問題ないでしょう。

滑りにくく見やすい素材を選ぶ

玄関スロープは、雨の日には滑りやすくなるため、水はけがよく、滑りにくい素材を選びましょう。また、スロープの出口に滑り止め加工をしたり、夜にも安心して外出できるようフットライトを取り付けたりすると、より安心です。

3-6.リビングの床暖房

リビングの床暖房

できればフロア全面に取り付ける

床暖房は段差が少ないと効きやすくなるため、バリアフリー住宅との相性は抜群です。フロア全面に設置すれば、ヒートショックを起こしやすい浴室・洗面所・トイレなどとリビングの温度差が減少します。

床暖房の種類は臨機応変に選ぶ

床暖房の種類には、電気ヒーター式と温水式がありますが、両者にはメリット・デメリットがあるので、自分たちに合ったほうを臨機応変に選びましょう。

4.【失敗事例】二世帯バリアフリー住宅を建てた方々の声

ここでは、実際に二世帯バリアフリー住宅を建てた人の失敗談を見て、今後のプランニングに活かしましょう。

4-1.水まわり共有に関する失敗談

お風呂を待つ時間が長い!予定が狂うのでストレス…

バリアフリーにしたお風呂を共有にしましたが、足腰が少し不自由な母親はお風呂に入る時間が長くかかってしまいます。しょうがないことなのですが、先に譲るとあとの予定が狂うし、譲ってもらうと変に気を遣う。どっちにしてもストレスがたまります。

お互いの生活リズムを比べておこう

2世帯で水まわりを共有することで、住み始めてからの光熱費削減を考えている方も多いかもしれません。

しかし、そもそもお風呂や洗面所などの水まわりは、朝や夜など、家族みんなが家にいる時間に使われることが多く、混みやすいものです。特に、足腰が不自由な方はどうしても動作に時間がかかってしまいます。

親世帯が起きるのは何時ごろか、子世帯が出勤するのは何時ごろかなど、それぞれのタイムスケジュールを把握しておくと、共有するべきか否かが判断しやすくなります。

4-2.廊下幅に関する失敗談

廊下の幅をミス!車椅子が通れず不便

玄関からリビングまでに廊下は車椅子で移動するから広めに設計したのに、リビングからお風呂までの廊下は普通の幅にしてしまったから車椅子が通れません。入浴介助がとても大変です‥。

生活動線をしっかりバリアフリー対応にしよう

「玄関からリビングまでは車椅子で移動するときのために」と広めの廊下を設置しても、浴室やトイレなどまでには気がまわらず、「失敗した」と思う人は多いようです。将来、車椅子の利用を想定するなら、親世帯の生活動線はすべて車椅子で移動できるよう設計しましょう。

慣れない家づくりを行ううえ、自分ではなかなかイメージしづらいバリアフリーを考えないといけないわけですから、失敗は誰にでもあり得ることです。このような失敗を避けるには、家づくりのプロに相談することがポイントです。

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5.二世帯のバリアフリー住宅で使える補助金・税金特例

二世帯バリアフリー住宅を建てる際には、受け取ることができる補助金や税金特例がいくつかあります。二世帯バリアフリー住宅に特化した制度ではありませんが、一定の条件を満たせば適用されるので、確認しておきましょう。

二世帯バリアフリー住宅の新築にあたって、受けられる補助金・税金特例は主に以下の4つです。

5-1.地域型住宅グリーン化補助金

平成27年度から開始された「地域型住宅グリーン化事業」による補助金で、主に、省エネ性に優れた木造住宅を新築・新築購入、あるいは木造住宅を省エネ改修する際に交付されます。地元の中小工務店やハウスメーカーに依頼した人が対象で、省エネ性に優れた木造住宅の中でも、「長期優良住宅」を新築・新築購入した場合には、上限110万円+αが補助されます。

参考:国土交通省「令和3年度地域型住宅グリーン化事業 グループ募集の開始 ~地域の中小工務店等が連携して取り組む良質な木造住宅等の整備を支援します

5-2.長期優良住宅の税の特例措置

上記の長期優良住宅に該当する場合、住宅ローン減税の上限額の引き上げなどの特例措置があります。また、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の減額など、さまざまな税金の控除が発生するため、丈夫なバリアフリー住宅を作りたい場合は、非常にお得な制度と言えます。

大手ハウスメーカーでは、ほとんどの商品が長期優良住宅の規格内にあるため、プランを見る際に確認しておくとよいでしょう。

参考:一般社団法人「長期優良住宅の認定制度の概要について

5-3.すまい給付金

すまい給付金とは、消費税引き上げによる住宅購入の負担を軽減するために設けられた制度です。対象者は、「住宅を取得し登記上の持分を保有するとともにその住宅に自分で居住する」「収入が一定以下」の2点を満たす人です。

住宅購入時、消費税が8%で年収510万円以下の人には最大30万円、消費税が10%で年収775万円以下の人には最大50万円が給付されます。

参考:国土交通省「すまい給付金

5-4.長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金

現在すでに住宅を所有しており、所有する住宅の性能を高めるリフォームを行う際に交付されます。補助率は対象費用の1/3、最大補助額は、原則100万円です。

上記で紹介した以外にも、家を建てる際に使える補助金制度はあります。以下の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考:国土交通省「令和3年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集を開始します!~既存住宅の性能向上、子育てしやすい環境等の整備に向けて~

6.二世帯住宅の建築において気を付けるべき注意点

二世帯住宅を建てる際には、事前に知っておきたい注意点があります。

6-1.建て替えとリフォームの検討

例えば、二世帯住宅への建て替えを検討している方は、建て替えとリフォームの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて調べ、自分たちにとって最適なほうを選ばなくてはいけません。

両者の違いについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

6-2.ハウスメーカーの選択

また、二世帯住宅の建築を依頼するハウスメーカー選びの際には、二世帯住宅を得意とするハウスメーカーの中から選ぶことがポイントです。

ハウスメーカーの数はとても多く、すべてのハウスメーカーの特徴を調べ、比較していくのはとても大変なことです。そのため、ある程度数を絞り、その中からじっくり比較検討していくほうが、効率よく自分に合ったハウスメーカーが見つけられます。

二世帯住宅を得意とするハウスメーカーについては、以下の記事で解説・紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

6-3.親世代・子世代間の話し合い

二世帯住宅の建築で失敗しないためには、2世帯間の話し合いがとても大切です。2世帯での家づくりは、費用負担や、お互いの共有部分に関する要望、ライフスタイルの違い、相続関連など‥確認することが山積みです。

しかし、親世帯が遠方に住んでいたり、新居を建てる場所の土地勘がなかったり、専門的な知識がなかったりすると、こういった話し合いはなかなか前に進まないもの。そこでおすすめなのが「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスです。

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まとめ

バリアフリーを取り入れた二世帯住宅についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか? バリアフリー住宅を建てるうえで念頭に置いておきたいのが、以下の四大要素でした。

バリアフリー住宅を建てる際に大切な四大要素

  • 段差の解消、手すりや滑りにくい床材で「転倒防止」
  • 介助・介護のための「広さ」
  • 将来のための「車椅子対応」
  • 気温の変化が少ない「住環境」

上記を踏まえたうえで、高齢者の生活や介助・介護をイメージして間取りを考えてみるとよいです。
場所別に気を付けたいポイントは以下にまとめたので、おさらいしておきましょう。

場所ポイント
お風呂
  • 出入口の段差は設けない、あるいは2cm以下の高さにする
  • ドアは割れにくい素材を選ぶ
  • 浴槽は40cm程度の深さにする
  • 手すりは最低2箇所に取り付ける
  • 床材は滑りにくいものを選ぶ
  • 浴室暖房機・浴室乾燥機・床暖房などを導入する
  • 非常時用のブザーを設置する
トイレ
  • 出入口は車椅子でも通れる広さに設計する
  • 鍵は外から開けられるようにする
  • 理想の寸法は1,820mm×1,820mm
  • 滑りにくく、汚れが残りにくい床材を選ぶ
  • 縦向き・横向きの手すりを取り付ける
  • 多機能タイプのトイレを取り付ける
  • 床暖房や温風機などを導入する
ドア
(引き戸)

以下のドアを引き戸にする

  • 浴室のドア
  • トイレのドア
  • 玄関ドア
階段や廊下
  • 床材は滑りにくい素材にする
  • 手すりは両側に設置する
  • 階段はU字に設計し、踊り場をつくる
  • 足元にも照明を付ける
  • 昇降機やエレベーターを付ける
  • 寸法は以下を参考にする

【階段】

  • 階段幅75㎝以上
  • 1段分の高さ「蹴上げ」20cm程度

【廊下】

  • 有効幅員78cm以上(柱部分75cm以上)
  • 車椅子を利用する場合は有効幅員85cm以上(突出部80cm以上)
玄関のスロープ
  • 勾配は屋内1/12・屋外1/15に設計する
  • 幅は100cm程度に設計する
  • 滑りにくく見やすい素材を選ぶ
リビングの床暖房
  • できればフロア全面に取り付ける
  • 床暖房の種類は臨機応変に選ぶ

二世帯バリアフリー住宅を建てる際には、「地域型住宅グリーン化補助金」「すまい給付金」「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」といった補助金を活用しながら、無理のない範囲で理想の家づくりを実現させましょう。

今回の記事を参考に、2世帯が永く快適に暮らせる二世帯バリアフリー住宅をかなえてください。疑問や相談事があるときには、「HOME4U 家づくりのとびら」といった、プロに相談できる無料サービスを利用するとスムーズです。是非お気軽にご利用ください。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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