【年収1,000万】無理のない借入額・上手な住宅ローンの組み方とは?

この記事を読むことで、年収1,000万円での無理のない借入額や、買える家の立地・規模といった具体的な情報を理解し、更に借入金額や頭金の目安といった無理のないローンの組み方の知識と返済の負担を減らすために使える制度まで、年収1,000万円で住宅ローンを組むための基本的な情報を大まかに理解できます。

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その他年収で家を建てる場合と比較したい方は「家を建てる年収」の記事もご覧ください。

1.年収1,000万円で無理のない借入額&買える家

年収1,000万円で無理なく組めるローン借入額の目安
6,000万程度

詳しくは「3-2-1.無理のない借入額」をご覧ください。

PDF2021年度 フラット35利用者調査」において算出されている年収倍率を元に考えると、年収1,000万円の人が、無理なく買えるのは以下の価格帯の家です。

年収1,000万円で比較的無理がなく買える家の目安
5,700~7,500万円※土地取得費込み

※年収倍率を額面年収に乗じた簡単な計算で出しています。

年収倍率は、「自分が建てたい・取得したい家が、自分の年収に見合っているかどうか」を簡単に知ることができる数値です。以下の計算式で求めることができます。

年収倍率=所要資金(予定建設費+土地取得費)÷額面年収

一般的には、この年収倍率を計算した時、5~7倍の中に納まっているのが無理のない額だと言われています。
なお、これはあくまでも「建設費」で、ローン借入額の計算ではないことに注意が必要です。大体の場合、頭金が入りますので、ローン借り入れ額はこの数字よりも低くなります。

また、全国的なローンの組み方の例は以下の通りです。

【住宅ローンを組んでいる人の全国的な傾向・データ】
年収 608.4万円
借入額 3,162万円
頭金(手持ち金) 407.9万円
毎月の返済額 10万5,900円
総返済負担率 22.7%

出典:「フラット35利用者調査 2021年度集計表

2.年収1,000万円で買える家はこんな家

この章では、年収1,000万円で無理なく買える家の価格帯に加え、東京を目安に、都心・東京23区内・郊外でどんな家が買えるのかを解説します。

2-1.年収1,000万円で買える家の金額目安は5,700~7,500万円

年収1,000万円で無理なく買える家の金額目安は、土地取得費込みで5,700~7,500万円です。
これだけの金額をかけられれば、基本的に平均以上の物件を購入することができます。

PDF2021年度 フラット35利用者調査」の所要資金についての調べによると、注文住宅であれば全国平均で3,572万円、首都圏・近畿圏・東海圏でも、4,000万円あれば購入可能であるというデータが出ています。
なお、この「注文住宅」のデータは土地取得費をフラット35以外で借り入れたものとなっており、土地取得費も建設費と併せてフラット35で借り入れた「土地付き注文住宅」に関しては全国平均で4,455万円です。首都圏・近畿圏・東海圏でも5,100万円程度で購入することが可能になっており、年収1,000万円であれば余裕を持って検討できるでしょう。

一方、全国的な分譲マンションの所要資金は全国平均で4,528万円、高額になりがちな首都圏では4,913万円が必要と言うデータが出ており、この限りでは分譲マンションも余裕を持って検討可能です。

試しに、5,700万円と7,500万円の返済計画をシミュレーションしてみましょう。条件は以下の通りです。

条件

金利……0.9%
返済方法……元利均等返済
返済期間……30年

※変動金利は年に2回金利が見直され、5年に一度返済額が見直されます。このシミュレーションは金利が借入時から返済まで一定であるという仮定の元に行っている簡易的なものです。実際はこの通りの結果とはならない可能性がありますので、最終的には金融機関にきちんと確かめる必要があります。

使用したシミュレーションツール:住宅支援機構 かんたんシミュレーション

5,700万円では、もし全額を借り入れると、月々の返済額は18万1,000円です。月の手取りが大体60万円程度であることを考えても、負担としては標準ラインと言えます。

一方7,500万円の家を買う場合は、せめて1割、出来れば2割、必ず頭金を入れるべきです。7,500万円という価格は、年収1,000万円の人の無理のない借入金額である6,000万円をかなり上回っています。

もし同じ条件で全額を借り入れれば、毎月の返済額は23万8,000円となり、月の手取りのうち、ほとんど4割が住宅ローンの返済だけに充てられることになってしまいます。これでは、貯金や突発的な支出に備えることは難しく、何かあれば返済計画に大きな打撃となりかねません。

6,000万円程度借り入れが出来れば、平均を上回る物件を購入することが可能です。
ですから、可能ならば無理のない借入金額よりも低い借入金額で済ませられることがベストです。
そうすれば余裕を持って返済できますし、たとえ無理のない返済金額の半額で借り入れたとしても、平均的な物件であれば十分に購入可能です。

以下では、東京を目安に、5,700~7,500万円で購入可能な家について説明します。

2-2.年収1,000万円ならこんなところに家を買える

年収1,000万円であれば、都心の新築マンション・戸建ての購入も可能です。基本的に、どこの地域でも十分に検討ができるでしょう。

2-2-1.都心

この価格帯で都心に新築マンションを持つのは、戸数は少ないものの可能です。品川区、港区、中央区などで数件見当たり、40~50㎡で駅徒歩分数は10分以内の立地などが望めます。運よく気に入る物件に出会いさえすれば、購入は出来る、といった傾向です。
なお、中古であれば東京、目黒、恵比寿、五反田、銀座などでも駅徒歩10分以内、築年数も比較的新しいものが購入できます。広さは40㎡程度が多くなっています。

新築一戸建ては、価格的には買えないことはありませんが物件数が少ないです。もし外見に格段のこだわりがなければ四ツ谷、新宿、中野あたりにいくつか見当たり、駅からの徒歩分数は10~20分、建物面積は70~100程度と、比較的条件の良いものが購入可能です。
中古でも件数が多くなるということはなく、買えるとすれば池袋や新宿、中野あたりで、条件も新築と大きくは変わりません。

2-2-2.23区内

23区内の新築マンションは、この価格帯であれば台東区、墨田区、新宿区、練馬区等幅広い地域で、場所によっては駅徒歩分数10分以内で70㎡前後の規模のものでも余裕を持って購入が可能になっています。
中古であれば、都電地下鉄や東武線、メトロ線、JR線など幅広い沿線上で柔軟に検討が可能です。

新築の一戸建ては、中野区や足立区、板橋区などを中心に、駅からの徒歩分数も10分以内、面積は100㎡程度のものが検討可能です。
中古も新宿区、台東区、大田区など幅広い地域で見つけることが出来、駅からの徒歩分数は10~15分、建物面積は100㎡程度のものが探せます。

2-2-3.郊外

例えばJR線沿いでは三鷹、吉祥寺、武蔵小金井などでバス・徒歩利用で15~20分程度の立地になる、70㎡程度の規模のマンションが購入できます。基本的に件数は都心、23区の方が豊富な傾向です。
中古では、JR中央線沿いなど、立地・規模共に幅広い物件の見当が可能です。

新築一戸建ても、JR中央線、京王線など幅広い地域で検討可能です。バス利用の立地が多い傾向ですが、110㎡程度の物件も購入可能になっています。
中古でも、探せる地域や立地・規模などに大きな違いは出ません。

そのほかにも、23区へのアクセスが良く、比較的手が届きやすいエリアも多くあります。通勤が電車なのか、車なのかでも条件にマッチする土地は変わっていきます。
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3.年収1,000万円での無理のない住宅ローンの組み方

この章では、住宅ローンを組んでいる人の全国的な傾向と併せて年収1,000万円で組む無理のないローンの組み方を、適正な借入金額や頭金の目安に加え、金利・返済方法の選び方など5項目に分けて詳しく解説しています。

3-1.住宅ローンを組んでいる人の全国的な傾向

フラット35利用者調査 2021年度集計表」によると、住宅ローンを組んでいる人の全国的な傾向は以下の通りです。

【住宅ローンを組んでいる人の全国的な傾向・データ】
年収 608.4万円
借入額 3,162万円
頭金(手持ち金) 407.9万円
毎月の返済額 10万5,900円
総返済負担率 22.7%

全国フラット35利用者の平均的な年収は600万円程度です。このデータを見る限り、年収1,000万円は平均を大きく超えた水準であると言ってよいでしょう。

借入額は3,162万円とあり、もし年収1,000万円でこの額を借り入れた場合には、無理のない借入金額を大幅に下回るため、余裕を持った返済が可能です。
頭金はこの借入金額に応じて考えるなら1割程度入れられているようです。

総返済負担率は22.7%とあり、これの理想的な数値は20~25%の間と考えられているため、平均的にはあまり無理のない範囲でローンを組めていると言えるでしょう。

3-2.年収1,000万円で組む無理のないローンの組み方

ここでは、年収1,000万円で無理なくローンを組む、その組み方を分かりやすく解説致します。
まず、以下の一覧表をご覧ください。

【年収1,000万円で組む無理のないローンの内容】
無理のない借入額 約6,000万円
頭金 物件購入金額の1~2割
金利タイプの特徴と決め方

〈決め方〉
現在は記録的ともいえる慢性的な低金利のため、固定金利よりも借入時の金利設定が低い変動金利を選んでいる人が多い。

だが変動金利には常に金利上昇のリスクがあるのも確かなので、最終的には金融機関に相談したうえで全3つのタイプから自分に適したものを選ぶ。

〈特徴〉

  • 変動型
    その時々の金融情勢によって、適用される金利が上下するタイプの金利。借入時の金利が固定金利よりも低く設定されていることが多いが、金利が上昇した時には、その分返済額も増えるため、注意が必要。
  • 固定金利期間選択型
    金利の固定期間が選べて、その期間中は金利が一定で変わらない。
  • 全期間固定型
    借入時から完済時まで金利が一定で変わることがないタイプ。
    毎月の返済額が決まっているので、分かりやすい。
返済方法の特徴と決め方

〈決め方〉
返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つのタイプがある。ただし、元金均等返済に関しては選べない銀行もあり、よりメジャーなのは元利均等返済の方。
こちらも、それぞれ特徴があるため、金融機関に相談した上で、自身に適したものを選ぶ。

〈特徴〉

  • 元利均等返済
    返済額が借入れ当時から完済時まで一定で、借入時の月々の返済額は元金均等返済よりも安いが、総支払額が高くなる。
  • 元金均等返済
    元金を定額で返済していくため、借入れ当時の月々の返済額は元利均等返済よりも高いものの、返済が進むにつれ減額していき、最終的な総支払額が元利均等返済よりも安くなる。
目安になる返済期間 大体30~35年の間

以下で一つずつ解説していきます。

3-2-1.無理のない借入額

無理のない借入額は、ざっくり額面年収の6倍程度です。したがって、年収1,000万円の人の場合は以下のようになります。

年収1,000万円の人の無理のない借入額は6,000万円程度

※返済期間を長く取れる、平均的な年代で考えた場合です。平均よりも上の年齢でローンを組んだ場合は、この限りではありません。

また、借入額に無理がないかどうかは、返済負担率でも確かめられます。返済負担率は、「年収において住宅ローンが占めている年間の返済額が適当かどうか」を判断できる数値です。計算式は以下の通りです。

返済負担率=年間返済額÷額面年収×100
計算して出た数字が20~25%の中に納まっている事が無理のない返済額の目安

では、返済金額6,000万円の場合をシミュレーションしてみましょう。条件は以下の通りです。

条件

金利……0.9%
返済方法……元利均等返済
返済期間……30年

※変動金利は年に2回金利が見直され、5年に一度返済額が見直されます。このシミュレーションは金利が借入時から返済まで一定であるという仮定の元に行っている簡易的なものです。実際はこの通りの結果とはならない可能性がありますので、最終的には金融機関にきちんと確かめる必要があります。

使用したシミュレーションツール:住宅支援機構 かんたんシミュレーション

結果は以下の通りです。

年収1,000万円の人が6,000万円借り入れたら……
毎月の返済額……19万1,000円
返済負担率……およそ23%
月の手取り額に占める負担の割合……およそ3割

※年収1,000万円の人の月の手取り額は、60万円として計算しています。

この計算だと、返済負担率は無理のない値に収まっています。それでも、月の手取り額に占める負担は3割を占めているので、十分に余裕があるとは言い難いです。

基本的に、6,000万円の借り入れが可能であれば、かなり家のグレード・立地にこだわりがあるという方を除いて、平均以上の物件を買うことができます。したがって、借入額は多くても6,000万円までと考え、頭金も適当に入れて、月々の返済負担を抑えるような買い方をするのが良いのではないでしょうか。

3-2-2.頭金

頭金は、借入金額の1~2割を入れておくべき、と一般的に言われています。

無理のない借入金額6,000万円に対する頭金の額は……
600~1,200万

現在は低金利状態が続いているため、頭金ゼロでローンを組む人も一定数存在しています。
年収1,000万円の人の場合、頭金ゼロでも例えば無理のない借入金額を大幅に下回る3,000万円程度の借入にとどめれば、返済期間を短縮したり、金利が高いものであったとしても、ある程度対応が可能でしょう。

しかし、頭金を入れた方が月々の返済額は更に楽になりますし、借入金が少なければ当然総支払額も少なくなります。加えて万が一何らかの事故が発生して、世帯年収が大幅に落ちるようなことがあれば、返済計画に思いもよらないほころびが生じることにもなりかねません。

ですから、頭金は今後予想される他の支出や生活費などに無理がなければ入れるにこしたことはありません。

3-2-3.金利タイプの特徴と決め方

金利には、

  • 変動型
  • 固定金利期間選択型
  • 全期間固定型

の3つのタイプがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。

【金利3種類の特徴】
特徴
変動型 金融情勢によって、金利が変動するタイプ。金利が低く推移すればその分総返済額が減るが、高く推移すれば増える。借入時に設定されている金利は、全期間固定型よりも安い。
固定金利期間選択型 ある一定期間の金利を固定するタイプで、その期間は金利が一定で変わらない。期間終了後は変動金利か固定金利のどちらかになる。
全期間固定型 借入時から完済時まで金利が一定で変わらないタイプ。毎月の返済額が決まっているため家計の把握がしやすいが、借入時の金利は変動型に比べて高い。

決め方は以下の通りです。

  • 低金利のメリットをうけつつ、金利が上昇しても対応できる資金的余地があるなら……
    「変動型」
  • そもそもの借入期間が短めであったり、出費が集中する時期の金利を安定させたいと思うなら……
    「固定金利期間選択型」
  • 金利の動きを把握することが苦手な方、毎月の支払額を安定させて返済計画をきちんと立てたいなら……
    「全期間固定型」

PDF令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、現在は過去に例がないとさえ言われている低金利で、今後しばらくは金利上昇の予見もないと一般的に言われているため、変動金利を選んでいる人の割合が77.3%にまで上昇しています。

ですが、今の低金利がいつまで続くかについて確たることは言えませんので、上記のような基本的な特徴を踏まえたうえで、ご自身の先々の予定や経済状況を考えて、金融機関に相談して下さい。

3-2-4.返済方法の特徴と決め方

返済方法には、

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

の2種類があります。

【返済方法2種類の特徴】
特徴
元利均等返済 元金と利息を合わせて返済するタイプで、毎月の支払額が一定。借入当初の月の返済額は元金均等返済に比べ安い。返済当初は利息が返済額の大部分を占め、元金の減りは遅く、総支払額は元金均等返済に比べ多くなる。
元金均等返済 元金の返済額が一定で、毎月の支払額は借入当初は元利均等返済に比べて高いものの、返済が進むにつれて減っていく。最終的な総支払額は元利均等返済に比べて少なくなる。

元金均等返済は総支払額が少なくなるものの、借入当初の返済額が元利均等返済に比べて大きくなるため、資金にある程度余裕のある人でないと選択は難しいです。

こちらもご自身の経済状況や、将来的に発生する支出などの予定を考えたうえで、最終的なところを金融機関に相談してお決めください。

3-2-5.目安になる返済期間

PDF令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅ローンの返済期間は、新築では30年を超え、中古では30年未満です。この二つを統合して考えると、おおよそ30~35年が目安と言えます。

3-2-6.毎月の支払額

毎月の支払額は、

  • 選択する金利のパーセンテージ
  • 返済期間の長さ
  • 選択する返済方法

によって違ってきます。
一つずつ変えて比較してみましょう。6,000万円の借入を想定して、まず金利0.8%、返済期間30年、元利均等返済で計算します。結果は、以下の通りです。

金利0.8%、返済期間30年、元利均等返済で6,000万円借入れた場合
毎月の支払額 18.8万円
※金利が一定で変わらない前提とした計算です。

使用したシミュレーション:住宅金融支援機構 かんたんシミュレーション

ではまず、金利のみ0.8%から2%に変えて計算してみましょう。結果は以下の通りです。

【金利のみ0.8%から2%に変えて計算した場合の毎月の支払額の差】
金利を0.8%から2%に変更した場合の毎月の支払額……22.2万円
金利0.8%の場合との差 +3万4,000円

次に、返済期間のみ10年短くした20年に変えてみると、このような結果になります。

【返済期間のみ30年から20年に変えて計算した場合の毎月の支払額の差】
返済期間のみ30年から20年に変更した場合の毎月の支払額……27.1万円
返済期間30年の場合との差 +8万3,000円

最後に、返済方法のみ変更した場合を試算してみましょう。結果は以下の通りです。

【返済方法のみ元利均等返済から元金均等返済に変えて計算した場合の毎月の支払額の差】
返済方法を元利均等返済から元金均等返済に変更した場合の毎月の支払額……20.7万円
元利均等返済の場合との差 +1万9,000円

金利が0.8%から2%になると、その差は3万4,000円もの増額になります。金利の安さだけで借り入れる金融機関を選ぶのはリスクがありますが、それでもこれだけの差が出るということは知った上で検討しましょう。

特に際立って数字が大きくなるのが、返済期間が短縮された時の増額です。かなり毎月の支払額に負担が出ることが分かります。総支払額には256万円の差がでるものの、毎月の負担を考えると、慎重に検討して決める必要があります。
元利均等返済から元金均等返済にすると、この計算の限りでは2万円近くの増額になります。ですが、総支払額の減額は29万円程度なので、かなりの軽減になるかと言うと、この計算の上ではそうでもないと言わざるを得ません。

これは一例ですので、必ずしもこの通りになるとは言えませんが、このように、金利・返済期間・返済方法によって、月々の支払額には大きく差が出ることを知っておくとよいでしょう。

3-2-7.総支払額

総支払額もまた、

  • 選択する金利のパーセンテージ
  • 返済期間の長さ
  • 選択する返済方法

によって違ってきます。
こちらもそれぞれ一つずつ変えて比較してみましょう。毎月の支払額の時と同じように、6,000万円の借入を想定して、まず金利0.8%、返済期間30年、元利均等返済で計算します。結果は、以下の通りです。

金利0.8%、返済期間30年、元利均等返済で6,000万円借入れた場合
総支払額 6,751万円
※金利が一定で変わらない前提とした計算です。

使用したシミュレーション:住宅金融支援機構 かんたんシミュレーション

ではまず、金利のみ0.8%から2%に変えて計算してみましょう。結果は以下の通りです。

【金利のみ0.8%から2%に変えて計算した場合の総支払額の差】
金利を0.8%から2%に変更した場合の総支払額……7,984万円
金利0.8%の場合との差 +1,233万円

次に、返済期間のみ10年短くした20年に変えてみると、このような結果になります。

【返済期間のみ30年から20年に変えて計算した場合の総支払額の差】
返済期間のみ30年から20年に変更した場合の総支払額……6,495万円
返済期間30年の場合との差-256万円

最後に、返済方法のみ変更した場合を試算してみましょう。結果は以下の通りです。

【返済方法のみ元利均等返済から元金均等返済に変えて計算した場合の総支払額の差】
返済方法を元利均等返済から元金均等返済に変更した場合の総支払額……6,722万円
元利均等返済の場合との差 -29万円

このように見てみると、やはり金利のパーセンテージの影響は大きいことがうかがえます。金利の安さ、高さだけで借入る金融機関を選んでしまうのはあまり得策とは言えませんが、それでも無暗に高いところと契約してしまうと大きな損が出かねませんることになります。

返済期間を短くすると、同じ借入額でも総支払額には256万円ものマイナスが出ます。ですが、この計算の上では返済期間を短縮することによって、毎月の返済額が8万3,000円も上乗せになってしまうため、無理のない借入金額よりももっと少ない場合などに検討すると現実的かもしれません。

今回のシミュレーションでは元利均等返済と元金均等返済の差はそこまでつきませんでしたが、例えば返済期間があと5年長い35年で、金利も2%だった場合には、総支払額に243万円ほどの差が出ます。ですから、全期間固定型で、なおかつ金利も高いような場合には検討すると良いかもしれませんが、そもそも、そこまでの長期間に渡って負担を受けることがないよう、借入金額を少なくしたり、頭金を多く入れたりという対策を出来る限り取ったほうが賢明でしょう。

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4.住宅ローン返済の負担をなるべく減らすコツ

最後に、住宅ローン返済の負担をなるべく減らすコツとして、国・自治体の補助金や助成金・減税についてご紹介いたします。

住宅ローン返済の負担をなるべく減らすコツはずばり、

国・自治体の補助金や助成金をうまく使うこと

まず、国が行っている代表的な支援を4つご紹介します。

【国が行う補助金・助成金や税金優遇措置など】
名称 特徴
補助金・助成金 こどもエコすまい支援事業 18歳未満の子供がいるか、新生児にどちらかが39歳以下の夫婦を対象として、新築住宅では最大100万円の補助が出る。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金 国が認めた要件を満たす住宅を、ZEHビルダーとして登録されている施工会社が新築することにより、種類別に最大55~112万円程度の補助金が出る。
地域型住宅グリーン化事業 グループ登録された地域の工務店により、指定の条件を満たす新築住宅を建てた人に対し、種類別に最大90万円から140万円の補助金が出る。
LCCM住宅整備推進事業 ZEHの要件を満たし、更に二酸化炭素の発生を抑えた住宅に対して、最大140万/戸の補助金が出る。
税金優遇(軽減)措置 住宅ローン控除(減税) 住宅ローンを利用して家を新築した時、指定の条件を満たすことで年末時点のローン残高から0.7%が最長13年間控除される。
住宅取得資金などの贈与税の軽減 父母、祖父母など直系尊属からの贈与によって、居住用の物件を新築するための金銭を取得した場合に、要件を満たすことで省エネ住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円が控除される。
不動産取得税の軽減 50㎡以上240㎡以内の一戸建てなど、特定の条件を満たした新築住宅において、不動産評価額が1,200万円控除される。
登録免許税の軽減 床面積が50㎡以上、取得後1年以内の登記の住宅において、登録免許税が軽減される。
固定資産税の軽減 一定の要件を満たした住宅において、3年間固定資産税が軽減される。

PDF令和3年度住宅市場動向調査報告書」によれば、住宅ローン減税制度の適用を受ける、もしくは受ける予定も含め、新築ではほとんど9割近くもの人が利用しているというデータが出ています。
条件が合うのであれば、新築する場合に利用しない手はありません。

これらには募集期間が定められていますので、詳しくは公式サイトにて情報をご覧ください。

自治体の補助金・助成金に関しては、各自治体ごとに独自の取り組みがされている場合があり、お住まいの市町村で何か利用できるものがないかどうか、お探しになると良いでしょう。

例えば、以下のようなものがあります。

  • 【東京都】「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業
  • 【神奈川県】はだの丹沢ライフ応援事業
  • 【千葉県】佐倉市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金
  • 【滋賀県】東近江市住まいる事業補助金

詳しくは、以下の記事でも取り上げています。
https://house.home4u.jp/contents/budget-13-1653

まとめ

年収1,000万円の方が、住宅ローンを組む際のポイントをお伝えしました。
それではおさらいです。

この記事のポイント

世帯年収1,000万円の住宅ローンはいくらまで?

年収1,000万円の人の無理のない借入額は6,000万円程度です。
詳細は「3-2-1.無理のない借入額」で解説しています。

年収1,000万円だと月々の返済額はいくら?

例えば、5,700万円の住宅ローンを借り入れたとき、月々の返済額は18万1,000円です。
詳細や、7,500万円の場合は「2-1.年収1,000万円で買える家の金額目安は5,700~7,500万円」をご覧ください。

年収1,00万円で住宅ローンを35年で返す場合は?

返済期間が30年と35年とでは、金利が2%だった場合、総支払額に243万円ほどの差が出ます。
3-2-7.総支払額」で詳細を確認し、長期間に渡って負担を受けることがないよう、借入金額を少なくしたり、頭金を多く入れたりという対策を練りましょう。


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「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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