賃貸併用住宅とは?メリットやデメリット、後悔しないためのポイント

賃貸併用住宅とは、一部を賃貸物件として貸し出せる住宅のことです。

家賃収入が見込めるだけでなく、将来的に二世帯住宅としても活用したり、子どもに資産として遺したりできます。

ただし、賃貸併用住宅を検討する際には押さえておきたいデメリットもあるので事前に把握しておきましょう。

この記事でわかること

  • 賃貸併用住宅のメリット・デメリット
  • 賃貸併用住宅で想定される失敗、対処策
  • 賃貸併用住宅におすすめのハウスメーカー

快適な住まいと副収入を得る手段として、賃貸併用住宅のプランニングを成功させるために、ぜひ最後までご覧ください。

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1.賃貸併用住宅とは?

賃貸併用住宅とは、住居スペースと賃貸スペースに共用部分がなく、それぞれ独立した空間を確保している住宅のことです。

「戸建て住宅タイプ」と「マンションタイプ」があり、いずれもオーナーの住居部分と賃貸部分は独立しているため、お互いの生活や活動に影響を及ぼしにくいという特徴があります。

例えば、戸建て住宅タイプでは、庭のある1階をオーナーの住宅にしたり、反対に最上階をオーナーの住宅にして眺望を楽しんだりできます。

賃貸併用住宅は独自性の高い間取りのため、戸建て住宅として建てる場合は注文住宅が一般的です。

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2.賃貸併用住宅のメリット

賃貸併用住宅には次のメリットがあります。

賃貸併用住宅のメリット

  • 家賃収入を住宅ローンの返済に充当できる
  • 節税につながることがある
  • 将来的に二世帯住宅としても活用できる
  • 子どもに資産として残せる

それぞれのメリットについて解説します。

2-1.家賃収入を住宅ローンの返済に充当できる

住宅ローンを組んで住宅を建てる場合、数年~数十年はローン返済の負担がのしかかります。

しかし、賃貸併用住宅なら毎月家賃収入が得られるため、ローン返済の負担も軽減できることも期待できます。

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2-2.節税につながることがある

1戸あたり200平米までの住宅用地は「小規模住宅用地の特例」が適用され、家を建てた後にかかる税金が以下のように軽減されます。

小規模住宅用地の特例の軽減額

  • 固定資産税:課税評価額の1/6
  • 都市計画税:課税評価額の1/3

賃貸併用住宅の場合、戸数が複数になるため、小規模住宅用地の特例措置が適用される広さも2倍以上になります。

小規模住宅用地の適用例

賃貸住宅が2戸ある賃貸併用住宅の場合(3戸分としてカウント)
200平米×3戸=小規模住宅用地の特例措置が適用される住宅用地600平米

広い敷地であっても小規模住宅用地の特例措置が適用される土地が広ければ、固定資産税と都市計画税を大幅に節税できます。

また、賃貸に使われている家屋は、家屋の固定資産税評価額に「借家権割合」と「賃貸割合」をかけた価額を、固定資産税評価額から控除して評価することが原則です。

そのため、100%自宅として使用している家屋よりも、賃貸部分がある家屋のほうが固定資産税評価額は下がり、相続税や贈与税の節税につながることもあります。

参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」)/「No.4602 土地家屋の評価

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2-3.将来的に二世帯住宅としても活用できる

将来的に賃貸スペースを子世帯や孫世帯の住宅として活用できます。

賃貸スペースが2戸あるなら、1戸は賃貸住宅、もう1戸は子世帯と分けたり、2戸とも子世帯に提供したりできるかもしれません。

万が一、借り手が見つからなかったときも、二世帯住宅や三世帯住宅として活用可能です。

賃貸併用住宅なら共用スペースがないため、各世帯が独立した暮らしができ、プライバシーを守れるのも魅力です。

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2-4.子どもに資産として残せる

一般的な住宅と同様、賃貸併用住宅も子どもに資産として残せます。

子どもがオーナーの住居部分に暮らし、家賃収入を得ながら生活したり、オーナー住居部分も賃貸部分もすべて貸し出して2戸分以上の家賃収入を得たりできます。

また、賃貸部分のある家屋は固定資産税評価額が下がる可能性があるため、一般的な住宅として残すよりも相続時の負担を軽減できるのもメリットです。

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3.賃貸併用住宅のデメリット

賃貸併用住宅には、デメリットとなり得る要素もあります。
主なデメリットとしては、次の点が挙げられます。

賃貸併用住宅のデメリット

  • 設計の自由度が下がる
  • 期待したほどの家賃収入を得られない可能性がある
  • 売却が難しい

以下より1つずつ見ていきましょう。

3-1.設計の自由度が下がる

賃貸併用住宅は建物内に戸数分の水回りや玄関を設置する必要があるため、制約が多く、設計の自由度が下がる傾向があります。

例えば、賃貸住宅を1戸含む戸建て住宅なら、玄関は2つ必要です。
お互いが気兼ねなく暮らそうとすると、できれば玄関の位置は離れているほうが好ましいですが、道路に面している部分かどうかといった要素も考慮すると、あまり選択肢はありません。

また、水回りも同様です。
2階は賃貸住宅、1階はオーナーの住居というように分ける場合、浴室やトイレなどで生じる水音を気にせずに暮らすには、直下の位置に同じ水回り施設を設けるほうがよいでしょう。

このように自ずと設備の位置が決まってしまい、自由に設計できないように感じる可能性があります。

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3-2.期待したほどの家賃収入が得られない可能性がある

期待したほどの家賃収入が得られない可能性もあります。

近隣の家賃相場が低く、住宅ローンの毎月の返済額にはほど遠い収入しか得られないケースや、入居者が見つからずに仕方なく家賃を下げるケースも想定されます。

賃貸併用住宅を建てる前に、家賃相場や賃貸住宅のニーズなども調べておきましょう。

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3-3.売却が難しい

賃貸併用住宅は一般的な住宅と比べると特殊なつくりのため、売却が難しい可能性があります。

将来的に売却を検討している場合は、建物自体を戸数分に分けたり、マンションタイプにしたりするほうがよいかもしれません。

ハウスメーカーや工務店の担当者とも話し合い、将来にわたって活用しやすい住宅を完成させましょう。

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4.賃貸併用住宅によくある失敗と対策例

賃貸併用住宅を建てて後悔することがないためにも、あらかじめ失敗例を知っておき、対策を立てておくことが大切です。

よくある失敗と対策の例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

4-1.借り手がつかない!

賃貸併用住宅を建てても、賃貸スペースに借り手がつかなけれは家賃収入を得られません。

このようなリスクを回避するためにも、建てる前にエリア内の賃貸住宅のニーズをリサーチしておきましょう。

賃貸住宅のニーズ調査例
ターゲットニーズ調査
子どもがいる世帯
  • 通勤や通学の利便性を考え、駅から近いエリアかどうか
  • 人気の学区であるかどうか

ほかにも、学生や一人暮らしの方が多いエリアなら、部屋数が多い住宅は不向きであるなど、ターゲットに沿ったニーズから建てるエリアを絞り込んでいきましょう。

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4-2.クレームが多い!

入居者から騒音や設備などのクレームが来ることも想定されます。

お互いの生活音が気になりにくい構造にすることも大切ですが、それだけではすべてのクレームは防げるとは限りません。

対応が難しいと感じるときは、クレーム処理や管理は専門の管理会社に任せてみるのも1つの方法です。
管理費が発生しますが、クレーム処理に追われるリスクを回避できます。

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4-3.住み心地が悪い!

入居者の生活音が気にならないように工夫して間取りを決めたとしても、実際に住んでみると予想以上に音や気配を感じてしまい、暮らしづらく思う可能性があります。

平日は気にならなくても、家で過ごす時間の長い休日は居住者を意識してしまい、住み心地が悪いと感じるかもしれません。

暮らしやすい賃貸併用住宅を建てるためにも、間取りをしっかりと練ることが大切です。
賃貸併用住宅の建築実績豊富なハウスメーカーなら、より安心して頼れるのではないでしょうか。

無料のHOME4U 家づくりのとびら 間取り作成依頼サービスでは、ご希望に合うハウスメーカー・工務店を厳選した上で、実際の間取りプランを比較することができます。

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5.賃貸併用住宅を得意とするハウスメーカー3選

賃貸併用住宅を得意とするハウスメーカーなら、居住者の生活音が気になりにくく、また、居住者もオーナーの生活音や気配が気になりにくい住宅を建てられます。

賃貸併用住宅専用の住宅商品があり、なおかつ実績豊富なおすすめハウスメーカーを紹介します。

5-1.トヨタホーム


引用元:トヨタホームの実例

トヨタホームでは、吹き抜け式の中庭のある賃貸併用住宅プラン「ESPACiO W」を用意しています。

賃貸住宅とオーナー住宅の両方を自由にプランニングできるのはもちろんのこと、敷地によって制限はありますが、賃貸部分の戸数を自由に増やせるのも特徴です。

また、中庭で自然にコミュニケーションを育みつつも、バルコニーには視界を遮る高い壁を設置し、プライバシーを守れるつくりになっています。

入居者と適度な距離感を保てる賃貸併用住宅を目指している方におすすめです。

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出典:トヨタホーム 公式HP

5-2.ダイワハウス


引用元:大和ハウスの実例

ダイワハウスでは、階数別に賃貸併用住宅の住宅商品が提供されています。

1階建て・2階建ての賃貸併用住宅なら、一般住宅としても人気のXevo・Σ(ジーヴォシグマ)です。
2階をオーナー住宅とし、1階を賃貸や子世帯の住宅として活用できるスタイルも可能です。

3階建て・4階建て・5階建てなら、マンションタイプのskye+(スカイエプラス)があります。
最上階をオーナー住宅として階下は賃貸住宅にしたり、最上階とその下の階を二世帯住宅として階下を賃貸住宅にしたりと、自由度の高さが特徴です。

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出典:ダイワハウス 公式HP

5-3.へーベルハウス

へーベルハウスでは、最上階をオーナー住宅とした賃貸併用住宅商品、ESCORT GRAND(エスコートグラン)を展開しています。

光を多く取り込む構造で、都市部でもまるでリゾートのような開放感を得られます。

賃貸部分のエントランスは高級マンションのような広々とした空間を確保したり、強固なセキュリティシステムを導入したりと、入居者の暮らしが豊かになるような工夫をしているのも特徴です。

また、へーベルハウスではグループ会社が賃貸部分を一括で借り上げ、管理・運営を請け負うサービスも実施しています。
空室リスクや家賃滞納リスクも軽減できるため、賃貸経営が初めての方も検討できるかもしれません。

将来的に二世帯住宅や三世帯住宅に変更できるのも、へーベルハウスの賃貸併用住宅の特徴の1つです。
多様な暮らしに対応できる柔軟性の高い間取りで、長く住み続けられる住宅を実現します。

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出典:へーベルハウス 公式HP

まとめ

賃貸併用住宅なら、生活するだけでなく、家賃収入も期待できます。

将来的には二世帯住宅や三世帯住宅などにも活用できるため、長く暮らせる住宅を希望する方にもおすすめのスタイルです。

なお、賃貸併用住宅なら住戸数が複数になるため、一般的な住宅を建てるよりも「小規模住宅用地の特例措置」が適用される土地面積が広くなり、固定資産税や都市計画税を大幅に節税できる可能性があります。

また、家屋部分の固定資産税評価額が減額されるケースもあり、相続税対策や贈与税対策としても検討できるかもしれません。

賃貸併用住宅を建てるなら、建築実績が豊富なハウスメーカーや工務店に相談してみましょう。
生活音や視線、気配が気になりにくい間取りや建物構造を提案してくれるだけでなく、暮らしやすさを確保し、入居者がつきやすい住宅の提案も受けられます。

時には無料のサポートサービスも活用しながら、効率的に後悔のない家づくりを進めてみてくださいね。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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