健康住宅とは？健康に暮らすためにチェックしたいポイントを紹介

変更日:

2025.03.12

健康住宅とは、住む人にとって快適で心身とともに健康に生活できる家のことです。健康を害さない建材を使い、室温度が調整され、結露防止・安全対策が施されている住まいを指します。

この記事では、「長く健康的に住める家を作りたい」という方に向けて、健康住宅の特徴や建てるポイントを解説します。

省エネ住宅の内容も詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

注文住宅の住宅商品について、種類や特徴、注意点、選び方について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

1.健康住宅とは？

健康住宅とは、人・家・環境の健康に配慮した住宅のことです。シックハウス症候群やヒートショックといった住宅に由来する疾患を防いで健康に暮らせるとともに、快適な空間でストレスなく生活できる住宅を指します。具体的には、健康に悪影響のない建材を利用し、室温が適切に保たれている状態です。

適度な室温・湿度の家として設計されることで、建材の傷むペースも遅くなり、メンテナンスや修繕の頻度も下がり、維持費の削減にもつながるでしょう。

2.健康住宅の特徴

健康住宅の特徴を具体的に考えると、次の4つに分けられます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

2-1.人の健康を害さない建材・家具を使う

健康住宅とは、健康に影響を与えない住宅のことです。具体的には、人の健康を害さない建材・家具を使った住宅を指します。

住宅に由来する健康被害に、「シックハウス症候群」があげられます。シックハウス症候群とは、建材や家具から発生する有害な化学物質や、カビ、細菌などで空気が汚染され、引き起こされる症状のことです。

健康住宅では、有害物質の発生が少ない、もしくは空気の浄化作用がある建材を使用して、健康被害のない環境を作ります。

2-2.室内の温度を一定に保つ

住宅の環境に由来する健康被害には、「ヒートショック」もあります。ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が上下に大きく変動し、心臓や血管の疾患を引き起こすことです。

ヒートショックを防ぐには室温の温度が一定に保たれている必要があり、健康住宅の条件となります。具体的には、優れた断熱材の採用で家を高気密・高断熱に保ち、外気の影響を受けにくい室内環境を作ることが大切です。

2-3.結露防止対策が施されている

健康のためには、住宅の結露防止対策も重要です。室内に結露が発生すると、カビやダニの発生につながります。

カビやダニの発生によって、喘息やアレルギーなどの症状を引き起こすため、健康住宅は結露の発生が防止されていることも重要な要素です。具体的には、断熱ドア・断熱窓の採用や、窓の配置を工夫するといった対策があげられます。

2-4.安全対策が講じられている

安全に暮らせることも、健康住宅の条件のひとつです。

安全対策には、災害や犯罪の被害に備えるものと、高齢者や子どもがいる家庭で必要になるものの2つがあげられます。

それぞれの安全対策として、次のような備えが必要です。

安全対策をしていることで、安心・安全な暮らしを実現できるでしょう。

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3.健康住宅を作るポイント

健康住宅を作る場合は、次の2点を押さえることが大切です。

それぞれの内容を解説します。

3-1.自然素材を使用する

室内の空気を汚染せず、快適に過ごすためには、建築の材料に自然素材を使用することがポイントです。

使用する建材や材料の一例として、次のものがあげられます。

自然素材の材料を利用することで、有害な物質が含まれていないだけでなく、素材によっては空気を浄化する作用も期待できます。

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3-2.省エネ住宅を建てる

健康住宅の条件である高気密・高断熱化が図られた住宅は、省エネ住宅の建築により実現します。

省エネ住宅とは、高断熱・高気密の設計でエネルギー消費量を抑え、冷暖房効率を高めた住宅のことです。

詳細は4章で解説しますが、省エネ住宅は快適に暮らせる健康効果とともに、年間の光熱費を削減するという経済的なメリットがあります。さらに、二酸化炭素排出量を抑え、地球環境にも配慮している住宅です。

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4.省エネ住宅とは

省エネ住宅とは、エネルギー消費を抑えるための設備や建築資材を導入した住宅のことです。冬は室内の温かい空気を逃さず、夏は室外からの熱の侵入を遮断することで、冷暖房の効率を高め、快適に過ごせようになります。

ここでは、省エネ住宅の概要や種類、補助金制度について解説します。

4-1.国の省エネルギー基準が守られた住宅

省エネ住宅には「断熱」「日射遮蔽」「気密」という3つの性能があり、それぞれに基準が設けられています。省エネ住宅といえるためには、これらの性能基準を満たさなければなりません。

断熱性能

断熱とは、熱を伝わりにくくすることで室内の温度を一定に保つことです。断熱性能は「外皮平均熱貫流率」（ＵA値)で示されます。

住宅の外皮（床、壁、窓など外気と接している部分）から外皮から逃げる熱の総量を外皮の面積で割って求める数値です。数値が小さいほど、省エネ性能が優れていることを表します。

日射遮蔽（しゃへい）

日射遮蔽とは、太陽光が室内に入り込むのを防ぐことです。日射遮蔽性能は、「冷房期の平均日射熱取得率」（ηAC（イータエーシー）値）で表されます。

外皮の各部位から入射する日射量を外皮の面積合計で除し、100を乗じて求める数値です。数値が小さいほど、省エネ性能が優れていることを示します。

気密

機密とは、住宅の隙間を通じて空気が出入りして熱が逃げないよう、隙間を減らす対策です。
ただし、気密性能だけを高めると室内環境が悪化するため、換気にも注意しなければなりません。

参考：経済産業省 資源エネルギー庁：「省エネ住宅」

4-2.省エネ住宅の種類

省エネ住宅にはさまざまな種類があります。それぞれ、重視する部分や特徴は異なります。

省エネルギー基準を大きく上回る住宅も多く、より快適な暮らしを実現できるでしょう。

4-3.省エネ住宅の補助金制度

健康住宅は建材や性能にこだわるため、建築費は高額になりがちです。省エネ住宅であれば、補助金制度を利用し、コストを抑えられます。

省エネ住宅を対象にした補助金制度の内容は、次のとおりです。

ZEH住宅の補助金

ZEHの補助金は、標準のZEHと、より性能を高めたZEH＋（プラス）に分かれています。いずれも新築住宅の建築・購入で利用でき、令和6年度の補助金はZEHが55万円/戸（設備加算あり）、ZEH＋が100万円/戸（設備加算あり）という内容です。

LCCM住宅の補助金

LCCM住宅の補助金は、設計費と建設工事等における補助対象工事費用の1/2が補助されます。補助金額は、最大140万円/戸です。

補助金は、ZEH住宅、LCCM住宅のいずれも令和6年度に実施されたものです。令和7年度以降の実施については、国土交通省のホームページで確認してください。

参考：ZEH補助金
参考：LCCM住宅整備推進事業 概要

子育てグリーン住宅支援事業

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「ZEH水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入を支援する制度です。GX志向型住宅であればすべての世帯が対象になり、最大160万円/戸の補助金が支給されます。

また、子育て世帯・若者夫婦世帯には、長期優良住宅・ZEH水準住宅の建築に対して40万～100万円/戸の補助金が用意されています。

自治体独自の補助金制度

さらに、省エネ住宅について自治体独自の補助金制度も設けられています。建築予定の地域の自治体で補助金制度を設けているか、確認してみましょう。

例えば、東京都では東京都が定める基準を満たす独自の省エネ住宅「東京ゼロエミ住宅」の普及を推進しており、助成金を支給しています。

参考：東京都「東京ゼロエミ住宅」

4-4.省エネ住宅の優遇制度

省エネ住宅の建築には、住宅ローンの金利優遇や減税などの優遇制度も活用できます。

住宅ローンの金利優遇

住宅ローンの金利優遇は、長期優良住宅など、省エネルギー性、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する際の借入金利を一定期間引き下げる【フラット35】Sという制度です。

民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】を利用した場合に受けられます。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得または増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7％を所得税から最大13年間控除される制度です。住宅の種類に応じて、住宅ローン減税の対象となる年末ローン残高の限度額が定められています。

参考：住宅金融支援機構「【フラット35】S」
参考：国土交通省「住宅ローン減税」

さまざまな補助金制度や優遇制度がありますが、すべてを押さえた家づくりは大変です。後悔のない家づくりをするためには、注文住宅のプロに相談しながら依頼先を選ぶようにしましょう。
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まとめ

健康住宅は健康への悪い影響がなく、快適に過ごせる住宅のことです。建材にこだわり、断熱性や機密性などの性能が高められた住まいを指します。エネルギー効率を高めるために高気密・高断熱化が図られた省エネ住宅は、健康住宅の条件をかなえるものといえるでしょう。

理想の健康住宅・省エネ住宅の建築にはコストが高くなる傾向にありますが、国では補助金も用意しているため、上手に利用すれば、コストを抑えた健康住宅の建築が可能です。

補助金の利用も含めた家づくりのためには、依頼先の選定が大切です。HOME4U 家づくりのとびらのサービスもご利用いただき、理想の住まいを手に入れてください。

この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします！

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