- 変更日:
- 2024.08.16
50坪の土地に建てる平屋は、建ぺい率によって可能な延床面積が変わります。どのような間取りをつくれるのか、具体的な例を挙げて見ていきましょう。
この記事では、50坪の土地に建てる平屋について以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 50坪の土地に建てる平屋の延床面積
- 50坪の土地に建てる平屋の間取り実例
- 平屋を広く見せるポイント
ぜひ最後までご覧いただき、素敵なマイホームを建ててくださいね。
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平屋のおしゃれな間取りパターンを知りたい方は「平屋の間取り」の記事もご覧ください。
目次
1.50坪の土地にはどの程度の平屋が建てられる?
50坪の土地に建てられる平屋の大きさは、建ぺい率によって決まります。建ぺい率とは、敷地面積に対する建物面積(建物を真上から見たときの面積)のことです。たとえば、建ぺい率が50%の土地なら、50坪であっても25坪の広さまでの建物しか立てられません。
平屋の場合、建物面積と延床面積はほぼ同じため、建ぺい率50%なら延床面積25坪(約83平米)、60%なら30坪(約99平米)の広さの住宅が建てられます。平均的な住宅の延床面積は125~150平米とされているため、建ぺい率が50~60%の場合は狭いと感じるかもしれません。
住宅地の中には、建ぺい率が80%のところもあります。50坪の土地なら延床面積40坪(約132平米)の建物が建てられるため、平均的な住宅の広さは確保できそうです。しかし、土地に対する建物面積が大きくなればなるほど、庭が狭くなり隣家や道路との距離が短くなるため、圧迫感を覚えるかもしれません。
2.土地50坪の平屋を狭いと感じさせない間取りのポイント
土地によっても建ぺい率は変わりますが、多くとも80%まで、一般的には60%までのことが大半です。建ぺい率60%以下で平屋を建てるとなると、建物面積は約99平米以下となるため、平均的な住宅よりはコンパクトなサイズ感になってしまいます。
しかし、間取りを工夫すれば、狭さを感じずに暮らすことは可能です。狭さを感じにくくなるポイントについて見ていきましょう。
2-1.勾配天井や吹き抜けで縦に空間を広げる
建ぺい率で建物面積が制限されるため、空間を横に広げるのには限りがあります。しかし、空間の広さは面積だけで決まるのではありません。高さを出して空間を縦に広げると、圧迫感の少ない広々とした平屋が完成します。
勾配天井や吹き抜けで、高さのある建物に仕上げてみてはいかがでしょうか。たとえば、玄関ホールを吹き抜けにすれば、玄関ドアを開けたときに広さを感じられるようになります。また、勾配天井の高くなった部分の真下にダイニングやリビングなどの人が集まる空間を配置すれば、1日のうちに何度も広さを実感できます。
2-2.廊下を減らす
延床面積が限られている場合、廊下部分が広いと、その分、LDKや個室に使える面積が減ってしまいます。なるべく廊下をつくらない間取りにすることで、共用スペースやプライベートスペースを広げてみてはいかがでしょうか。
また、廊下が減ると、各空間へ移動がスムーズになり、家事動線や生活動線が短くなることもあります。暮らしやすい平屋にするためにも、延床面積が広くないときは廊下を減らすようにしてください。
2-3.引き戸を多用する
開き戸を設置すると、扉の開閉部分のスペースを確保しなくてはいけません。また、確保したスペースにゆとりがないと、扉を開閉するたびに窮屈さを感じてしまいます。
一方、引き戸ならば開閉部分のスペースを確保する必要がありません。扉を開けるたびに一歩下がる必要もなくなるため、足腰に痛みや不自由さがあるときでもスムーズに移動ができます。
2-4.ロフトや小屋裏収納をつくる
住宅には収納スペースが必要ですが、あまり多くつくると居住スペースが減ってしまいます。しかし、収納スペースを減らすとモノを片付けにくくなるため、家の中が雑然とした印象になり、余計に狭く見えてしまうかもしれません。
居住スペースを減らさずに収納スペースを確保するためにも、ロフトや小屋裏収納を検討してみてはいかがでしょうか。いずれも縦の空間を活かした収納スペースのため、居住スペースに影響を及ぼしません。
2-5.床下収納付き小上がりスペースをつくる
収納スペースを床下につくることでも、居住スペースを減らさずに収納スペースを増やせます。しかし、キッチンや洗面所に床下収納をつくっても、期待するほどには収納量を増やせないだけでなく、モノを出し入れするときに腰に負担がかかるのも問題です。
収納量を増やし、なおかつ腰に負担をかけずにモノを出し入れするためにも、床下収納付きの小上がりスペースをつくってみてはいかがでしょうか。段差の部分に引き出しを設置すれば、スライド式で簡単にモノが取り出せます。
小上がり部分を跳ね上げ式の畳収納にすれば、客用布団や季節の衣料品などのかさばるモノも無理なく片付けられます。また、床の一部に高さが生じることで、単調になりがちな平屋に変化が生まれるのもメリットです。
様々な間取りのアイデアがあることがわかりますね。
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3.土地50坪に建てる平屋のおすすめ間取り7選
土地50坪に平屋を建てる場合、建ぺい率によっては延床面積が狭くなってしまいますが、工夫をすれば圧迫感なく暮らすことが可能です。おすすめの間取りを7つ紹介します。ぜひ参考にして、暮らしやすい平屋を実現してください。
3-1.【延床面積30坪・3LDK】約30平米の広々LDKのある間取り
建ぺい率が60%あれば、約30畳の広々としたLDKと個室を3つ確保した間取りが可能です。LDK部分を吹き抜けにして天井高を高くし、LDKから階段で小屋裏収納にアクセスできるようにすれば、広い空間がさらに広く見えます。
2つの子ども部屋は引き戸で仕切り、1部屋としても2部屋としても活用できるようにしておくと、ライフステージが変わっても、大がかりなリノベーションをする必要がありません。また、段差のないバリアフリー仕様であり、なおかつトイレや洗面所などの水回りの入口をすべて引き戸にしているため、足腰が弱ったり車いすでの移動になったりしたときでも暮らしやすい間取りといえるでしょう。
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3-2.【延床面積25坪・3LDK】家事動線に配慮した間取り
廊下のない間取りなら、延床面積が25坪でも、20畳を超える広いLDKと個室3つは確保できます。また、あえて玄関を門から奥まったところに設置することで、玄関までのアプローチが長くなり、広さを感じられるように工夫しています。
特に注目したいのが家事動線に配慮した配置です。洗濯機を設置した脱衣所の隣にサンルームを配置し、洗濯時の移動を減らしています。また、玄関ホールのすぐそばにキッチンと収納庫を配置し、買った食料品や日用品をすぐに片付けられるようにしています。
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3-3.【延床面積37坪・3LDK】玄関土間を囲む個性的な間取り
建ぺい率が80%なら、約30畳のLDKに5畳サイズのウォークインクローゼットがついた主寝室のある間取りも可能です。家の中央部分に配置した広々とした土間のある玄関からは、ホールと収納の2方向の動線があり、迷路のようなわくわくする空間を演出しています。
玄関につながるポーチから、直接個室にアプローチできるのもポイント。動線が増えるだけでなく、通気性も良くなるため、家屋を良好な状態に保ちやすくなります。
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3-4.【延床面積25坪・3LDK】横長の土地を活かした間取り
横長の敷地なら、中央部分に玄関を配置した間取りはいかがでしょうか。建物の前面にウッドデッキを取り付ければ、横長のインパクトがさらに強まり、狭さが気になりにくくなるでしょう。
平屋はすべての空間がワンフロアに集まっているため、LDKとトイレが近くなりやすく、音や来客時の使用が気になってしまうことも少なくありません。しかし、トイレを玄関ホール脇に配置し、玄関ホールとLDKの間に引き戸を設けた間取りなら、トイレの音を気にせずに生活できます。
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3-5.【延床面積28坪・2LDK】来客が多い家庭向きの間取り
来客が多い家庭なら、リビングとダイニングを分けるのもおすすめです。お客さまを気にせずに食事や調理ができるため、ストレスを感じにくくなるでしょう。また、リビングとダイニングの間を複数枚の引き違い戸で仕切ることで、開け放てば広いリビングダイニングとしても活用できるようになります。
独立した和室は、個室としても使えますが、客間としても利用できます。おもてなしの空間として活用したり、泊まってもらったりするのも良いですね。
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3-6.【延床面積27坪・3LDK】続き間のある間取り
続き間のある間取りなら、空間の使い方の自由度がさらに高くなります。ふすまを開け放てば14畳の大広間になり、大勢が集まる食事会や法事などにも活用できます。
また、リビングの入口を除き、すべてのドアが引き戸のため、出入りのためのスペースを確保する必要がないのも特徴です。部屋の入口が隣り合う場合(洋室とトイレ)でも、人やドアがぶつかることがなく、スムーズな移動が可能になります。
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3-7.【延床面積31坪・3LDK】小屋裏収納のある間取り
広めの小屋裏収納をつくれば、収納スペースを広げられます。クリスマスツリーや鯉のぼりなどの行事のグッズ、頻繁には使わないけれども捨てられないモノなどをすべてまとめて収納できるため、すっきりと片付くだけでなく、「どこに片付けたっけ……?」と探す時間も減らせます。
また、玄関ホールからすぐに洗面所に行けるのも注目ポイントです。手洗い習慣を身につけられるだけでなく、脱衣所と別になっているため、誰かが入浴しているときでも手を洗えます。
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4.狭さが気になるときは二階建ても検討しよう!
狭さが気になりにくい間取りを紹介しましたが、世帯人数や建ぺい率によっては、工夫しても狭さが解消できないこともあるでしょう。どうしても狭さが気になるときは、二階建てや三階建てなどの多層構造を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、二階建て・三階建てを検討するときには、土地の容積率も確認しておきましょう。容積率とは敷地面積における延床面積の割合のことです。
たとえば、建ぺい率60%、容積率100%の50坪の土地なら、延床面積30坪(50坪×60%)以下の平屋を建てられます。しかし、容積率は100%のため、二階建てを建てる場合は1階と2階の延床面積の合計を50坪(50坪×100%)以下に調整しつつ、なおかつ各階の延床面積が30坪以下でなくてはいけません。
つまり、二階建てなら平屋の2倍、三階建てなら平屋の3倍の延床面積を確保できるというわけではないため、注意が必要です。ハウスメーカーの担当者にも相談して、基準を守った家づくりをしてください。
4-1.二階建てのメリット
二階建てを選ぶことには、次のメリットがあります。
- 床面積を増やせる
- 個室と共用スペースを分けられる
- 間取りのバリエーションが増える
建ぺい率や容積率による制限はありますが、二階建てにすれば平屋よりは床面積を増やせます。また、1階はLDKや水回りなどの共用スペース、2階は個室のように空間を分けられるため、よりプライバシー重視の家づくりが可能です。
間取りのバリエーションが増えるのもメリットです。平屋では希望どおりの間取りを実現できないときも、二階建てを検討してみてはいかがでしょうか。
4-2.二階建てのデメリット
二階建てにはデメリットもあります。
- 生活動線が複雑になる
- バリアフリーに対応できない
- コミュニケーションが希薄になる恐れがある
多層構造になることで、生活動線が複雑になる可能性があります。たとえば洗面所が1階にある間取りなら、出かける準備のために、何度も階段を往復する必要が生じるかもしれません。
バリアフリーに対応できなくなるため、階段の上り下りが難しいときは生活空間が1階に限定されます。また、個室と共用スペースを完全分離することで、コミュニケーションが希薄になる可能性もあるでしょう。
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まとめ
建ぺい率や容積率によって、建てられる平屋の大きさが変わります。敷地が50坪の場合、建ぺい率・容積率によっては手狭な間取りになってしまうかもしれません。
ご紹介した方法や間取り例も参考に、ぜひ暮らしやすい平屋を完成させてください。また、狭さが気になるときは、二階建てや三階建ても視野に入れることもおすすめです。
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この記事の編集者