二世帯住宅平屋の間取り図|完全分離型・中庭付きなどの具体例を紹介

二世帯住宅を建てるのであれば、平屋も選択肢の1つです。
実際に平屋を建てる際は、スタイルごとにどのような間取りがあるのか気になることも多いのではないでしょうか。

また、二世帯住宅には「完全分離型」や「一部共有型」などのスタイルがあり、スタイルごとに間取りの特徴が異なります。家族の暮らし方や予算によって、どの部分を共有するのか、どこは分離するのかを考えることが成功の秘訣といえるでしょう。

こちらの記事では、各家庭のライフスタイルに合わせた二世帯住宅平屋の間取り例を紹介します。

この記事でわかること

  • 二世帯住宅平屋の間取り
  • 平屋と二階建ての違い
  • 二世帯住宅を平屋で建てるメリット

二世帯住宅を平屋で建てる際の注意点や、二世帯住宅の平屋でおすすめのハウスメーカーなどもぜひ参考にしてください。

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二世帯住宅を成功させるコツや費用相場の情報が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1.二世帯住宅を建てるなら?平屋と二階建ての違い

二世帯住宅を建てる際、「平屋」と「二階建て」の2つの選択肢が存在します。土地の広さや家族構成などによってどちらが適しているのかは異なるため、まずは平屋と二階建ての違いについて詳しく見ていきましょう。

1-1.必要な土地面積や費用

土地面積や費用の比較表
土地面積費用
平屋延床面積と同じ多くの資材が必要なため、費用が高くなる傾向がある
二階建て単純計算で延床面積の2倍の広さが必要基礎と屋根の面積が少ないため、費用を抑えられる

すべての部屋が同じ階層にある平屋の場合、十分な生活スペースを確保するには、ある程度の土地の面積が必要です。同じ延床面積と仮定した場合、二階がない平屋は、単純に計算して二階建ての倍の広さの土地が必要になります。

また、延床面積が同じ場合、平屋のほうが多くの資材が必要です。加えて敷地面積の確保も求められるため、基本的に平屋のほうが建築費用は高くなります。

しかし、建築費用は間取りや内装などさまざまな要因に左右されるため、一概には言えません。

一方、二階建ての場合は比較的狭い土地でも建築可能です。そのため延床面積を確保しやすく、土地選びの幅が広がります。特に都心部や好立地なエリアは、十分な広さの土地の確保が難しいです。これらのエリアで快適に暮らせる部屋数や間取りを確保したいなら、二階建て、あるいは三階建てが適しているでしょう。

1-2.生活動線

生活動線の比較表
生活動線
平屋間取りによっては移動が少なく家事動線が短い
二階建て階段移動によって生活動線が長くなる場合がある

平屋と二階建ては、生活動線にも違いがあります。

平屋の場合、間取りによっては移動が少なく家事動線が短い点が特徴です。
家事動線が短ければ、洗濯や掃除などを効率よく行えます。
ただし、平屋は余剰スペースを確保しにくいため、特に出勤・通学で全員がバタつく朝の時間帯は家事に支障がでてしまうでしょう。

一方、二階建ては階段による上下の移動が発生し、生活動線が長くなる場合があります。それでも、二階建ては上の階にも居住空間をつくれるため、平屋より余剰スペースを確保しやすくなりため、家族同士で動きを妨げ合うことは少ない傾向です。

1-3.階段移動の有無

階段移動の有無による比較表
メリット
平屋階段移動がないため、高齢者や子供がいる家庭でも安心できる
二階建て階段移動はあるものの、家族それぞれのプライバシーを確保しやすくなる

階段移動の有無は、平屋と二階建ての大きな違いといえるでしょう。平屋は階段がないため、高齢者や小さい子供がいる家庭でも安心です。

階段から転落したり、段差につまずいて転倒したりといったリスクを回避できます。すべての部屋がワンフロアにあるので、家族同士のコミュニケーションも生まれやすいです。

二階建ての場合、階段での上下移動はありますが、そのぶん家族それぞれのプライバシーを確保しやすくなります。各世帯の居住空間を階ごとにわけたり、左右で完全に分離したりと、間取りの選択肢が増えるのも魅力です。

家族構成やプライバシー面を考慮して、平屋と二階建てのどちらが適しているのかを判断するとよいでしょう。

2.二世帯住宅平屋の間取り例

二世帯住宅には、完全分離型や一部共有型などのタイプがあります。

ここからは、二世帯住宅平屋の間取り例をタイプごとに紹介するため、ぜひ参考にしてください。

2-1.【完全分離型】生活圏をしっかりわけた二世帯住宅平屋の間取り

【完全分離型】生活圏をしっかりわけた二世帯住宅平屋の間取り

※CL…クローゼット

生活圏を世帯ごとにしっかりわけた、完全分離型の間取りです。

洗面室や浴室を挟む形で、生活スペースを分離しています。壁やクローゼットの配置を工夫することで、生活音が伝わらないようにしている点が特徴的です。

生活スペースごとに玄関を設置することで、お互いの世帯がほどよい距離感を保つような工夫もされています。全体的にシンプルな形状なため、建築コストも抑えやすいでしょう。

玄関は軒下に作られており、出入りの際に風や雨を防ぐ効果があります。

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2-2.【一部共有型】キッチン以外を共有している二世帯住宅平屋の間取り

【一部共有型】キッチン以外を共有している二世帯住宅平屋の間取り

※CL…クローゼット

キッチン以外を共有している、一部共有型の間取りです。

個室に光が届くこと、ほどよい距離感で過ごせることが意識されており、リビングは建物中央、個室は東西に配置されています。

リビングとデッキテラスをつなげて、一体的に広々と利用できるようになっている点も特徴的です。キッチン通路の幅は広めのため、窮屈に感じることなく快適に料理できます。

子ども部屋は将来的に3つにわけられる間取りになっており、隣接するリビングから様子をうかがうことが可能です。

また、玄関には出入り口が2つの土間収納が設けられており、ファミリークローゼットへ直接移動できます。

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2-3.【同居型】車いすの両親と暮らす二世帯住宅平屋の間取り

【同居型】車いすの両親と暮らす二世帯住宅平屋の間取り

※CL…クローゼット

車いすの両親も快適に暮らせる、バリアフリーを意識した同居型の間取りです。

子世帯を西側、親世帯を東側、共有部を中心に配置することで、それぞれの生活に配慮した間取りとなっています。

東西をつなぐ廊下は広めにとられており、車いすでも快適に行き来できるほか、両親が使用する部屋はすべて引き戸です。

また、ホームヘルパーの行き来を考慮して、家族のプライバシーを守りつつ介護できるような動線になっています。収納は必要なところに必要なだけとっているため、用途に合わせた使用が可能です。

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3.二世帯住宅のタイプは3種類

間取り例で紹介したように、二世帯住宅には以下の3タイプがあります。

二世帯住宅の3つのタイプ

  • 完全分離型…世帯ごとに生活空間を完全にわけるタイプ
  • 一部共有型…一部の設備・スペースのみ共有するタイプ
  • 同居型…生活に必要な設備・スペースをすべて共有するタイプ

ここからは、タイプごとの違いについて詳しく解説します。

3-1.完全分離型

完全分離型のメリット・デメリット
メリットプライバシーを確保しやすい
デメリット生活費や建築費用が高くなってしまう

完全分離型は、世帯ごとに生活空間を明確に分離するタイプです。

完全分離型には、同じ階層で世帯をわける左右分離型と、上下階で世帯をわける上下分離型の2種類があります。

完全分離型のメリットは、プライバシーを確保しやすい点です。お風呂やトイレなどを世帯ごとに設置するため、相手の世帯に気をつかう必要はありません。生活リズムが違ったとしても、生活音を気にすることなく過ごせます。

しかし、完全分離型は生活費や土地代、建築費用が高くなってしまう点がデメリットです。設備が二世帯分必要になるため、どうしても光熱費や建築費用が高くなってしまいます。また、設備が二世帯分必要なことで、建築に必要な土地面積も大きくなりがちです。

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3-2.一部共有型

一部共有型のメリット・デメリット
メリットプライバシーを確保しつつ適度なコミュニケーションがとれる
デメリット共有部分の使い方を事前に決めておく必要がある

一部共有型は、リビングやお風呂など一部の設備・スペースを共有するタイプです。何を共有し何を分離するのか、親子間でしっかりと話し合う必要があります。

一部共有型のメリットは、プライバシーを確保しつつも適度なコミュニケーションがとれる点です。適度なコミュニケーションによって心地よい距離感を維持できるようになれば、快適な生活を送れます。

デメリットは、共有部分の使い方を事前に決めておく必要がある点です。使い方や使う時間が異なると、お互いにストレスが溜まってしまいます。

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3-3.同居型

同居型のメリット・デメリット
メリットお互いの状況を把握しやすい
デメリットプライバシーの確保が難しい

同居型は、生活に必要なすべての設備を共有するタイプです。完全分離型や一部共有型とは違い、必要な設備は一世帯分のみのため、建築費や光熱費を抑えられます。

二世帯が同じ空間で生活するため、お互いの状況を把握しやすい点はメリットです。しかし、裏を返せばプライバシーの確保が難しいというデメリットにもなり得ます。寝室や書斎などの間取りを工夫して、プライベートエリアを確保するとよいでしょう。

また、生活設備をすべて共有している関係上、世帯別に光熱費を把握するのは困難です。そのため、光熱費をどのように負担していくのか、よく話し合う必要があります。

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4.二世帯住宅を平屋で建てるメリット

二世帯住宅を平屋で建てるメリットは以下の3つです。

平屋で建てるメリット

  • 幅広い年代に対応しやすい
  • 生活音のトラブルが少ない
  • 耐震性に優れている

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

4-1.幅広い年代に対応しやすい

二世帯住宅を平屋で建てると、幅広い年代に対応しやすいというメリットがあります。

階段がないため、高齢者から子どもまで安心して暮らせるためです。階段の昇り降りでケガをするリスクがなくなる点は、幅広い世代が安心・安全に暮らせる大きなメリットといえます。

また、空間が開放的で家族間のコミュニケーションがとりやすい点も、メリットといえるでしょう。積極的にコミュニケーションをとり、家族間で良好な関係を維持すれば、いつまでも安心して日々を過ごせます。

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4-2.生活音のトラブルが少ない

生活音のトラブルが少ない点も、二世帯住宅を平屋で建てるメリットです。

二階建ての場合、基本的には一階に親世帯、二階に子世帯が暮らします。このようなケースでは、一階に住む親世帯は二階からの生活音に悩まされることが多いです。

親子関係にあるとはいえ、生活音が原因でトラブルに発展する可能性は十分に考えられるでしょう。

一方、平屋であれば二階からの生活音に悩まされることはありません。音を出さないように気をつかう必要はなくなるため、生活リズムを過剰に気にすることなく快適に生活できます。

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4-3.耐震性に優れている

平屋の二世帯住宅は、耐震性に優れている点も魅力です。

平屋は二階建てよりもシンプルな構造をしているため、地震で家にかかる力が分散され、倒壊のリスクを抑えられます。

また、地震の揺れに関しても、二階建てより平屋のほうが振動は伝わりにくいです。建物は高さがあるほど地震の揺れが伝わりやすくなるため、平屋であれば地震の揺れを感じにくくなります。

日本は地震が多いため、耐震性に優れている点は大きなメリットといえるでしょう。

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5.二世帯住宅を平屋で建てる際の注意点

二世帯住宅を平屋で建てる際は、いくつかの注意点が存在します。

住宅を建ててから後悔することがないよう、注意点をあらかじめ把握しておきましょう。

5-1.水害リスクを考慮する

二階が存在しない平屋では、水害リスクを考慮する必要があります。

一階部分が浸水した際に、二階に避難できないためです。水害発生時に逃げ遅れないよう、できるだけ早く浸水エリアから非難する必要があります。

特に親世帯は迅速な避難が難しいため、浸水が想定されるエリアに住む場合は、適切な水害対策を講じるようにしてください。

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5-2.採光や通風の工夫をする

平屋は建物の高さが低いため、周囲に二階建ての建物が多いと採光や通風を確保しにくくなります。

採光や通風を確保するための工夫としては、中庭の活用がおすすめです。中庭をつくり、中庭に面した部分に窓や天窓を配置すれば、風や自然光を効果的に取り入れられます。

中庭はプライバシー性が高いため、人目を気にすることなく、ガーデニングやアウトドアなどの趣味に没頭できる点も魅力です。

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5-3.お互いの生活スタイルをふまえた間取りにする

親世帯と子世帯では生活リズムが異なる場合が多いため、お互いの生活スタイルをふまえた間取りにすることが大切です。

例えば、個室や寝室などのプライベートエリアを隣接させないようにすれば、互いの生活音が気にならなくなります。

防音効果の高い壁や窓の設置も、プライバシーの確保に効果的です。快適な共同生活を実現するためにも、防音対策や部屋の配置の工夫を意識しましょう。

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6.二世帯住宅の平屋でおすすめのハウスメーカー3選

日本にはさまざまなハウスメーカーが存在するため、どのハウスメーカーに依頼するか迷ってしまう方もいることでしょう。

今回特徴を紹介する、二世帯住宅の平屋でおすすめのハウスメーカーは以下の3社です。

  • ミサワホーム
  • 一条工務店
  • セキスイハイム

それぞれの平屋の特徴について、詳しく解説します。

6-1.ミサワホーム

ミサワホームの実例

引用元:ミサワホームの実例

ミサワホームの「CENTURY Stylepro HIRAYA」は、すみずみまで新しい魅力をデザインした平屋です。おおらかな勾配天井と1.5階の存在によって、五感に心地よい、豊かな空間を実現しています。

未来基準の「センチュリーモノコック構法」をベースにしており、今までにない提案やアイデアが豊富に盛り込まれた住まいです。デザイン性の高さだけでなく、強固な構造体によって耐震・耐風性能も高いレベルで維持しています。

豊かな空間と高い耐震・耐風性能の両立によって、いつまでも安心・安全な暮らしを実現できるでしょう。

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出典:ミサワホーム 公式HP

6-2.一条工務店

一条工務店の平屋は、動線の工夫によって子どもも大人も暮らしやすくなっている点が特徴的です。水回りの配置をまとめることで作業がコンパクトになり、家事効率が大きく向上します。

勾配天井を設置し、縦の広がりをもたせることで、開放的な空間を実現している点も魅力です。テラスやウッドデッキなどで、内と外をゆるやかにつなぐこともできます。

天井や床には高い断熱性能を誇る断熱材「高性能ウレタンフォーム」が採用されており、いつでも快適な室温を維持可能です。熱交換換気システム「ロスガード90」も、快適な室温の維持に大きく貢献しています。

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出典:一条工務店 公式HP

6-3.セキスイハイム

セキスイハイムの実例

引用元:セキスイハイムの実例

セキスイハイムの平屋は、「大人を愉しむ」「自然や家族とつながる」など、さまざまなコンセプトのものがあります。

大人を愉しむ「楽の家」は、外まで広がるワンフロアが特徴的な平屋です。深く伸びるテラスが、リビングと庭をゆるやかにつなぎます。セキスイハイム独自の空調システム「快適エアリー」によって、季節を問わず心地よい温度ときれいな空気を実現可能です。

自然や家族とつながる「つながる平屋」は、テラスに向かって大きく延びる屋根が特徴的な平屋です。天井の高いリビングダイビングが、室内の開放感を演出しています。三角屋根ならではの小屋裏収納も魅力的です。

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出典:セキスイハイム 公式HP

以上が、二世帯住宅の平屋でおすすめのハウスメーカーです。
もちろん、今回ご紹介した以外にも優れた実績を持つハウスメーカーはたくさんあるでしょう。

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まとめ

二世帯住宅を建てる場合、平屋と二階建ての2つの選択肢が存在します。

平屋と二階建ての主な違いは、必要な土地面積・費用や階段移動の有無です。高齢者や小さい子どもがいる家庭で、階段の昇り降りでケガをするリスクを極力回避したい場合は、平屋が適しています。

また、平屋は生活音のトラブルが少なく、耐震性に優れている点もメリットです。特に耐震性に優れている点は、地震が多い日本において大きなメリットといえます。

二世帯住宅の平屋を建てる際は、水害リスクを考慮したり採光や通風を工夫したりして、親子が快適に過ごせるような住まいを目指しましょう。

今回紹介した内容やおすすめのハウスメーカーを参考に、安心・安全に暮らせる住まいを実現してみてください。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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