- 変更日:
- 2024.09.17
どうせ家を建てるなら、年間を通して快適に過ごせる「断熱等級7の住宅」を建てたいと考えている方は多いでしょう。
例えば、一条工務店や日本ハウスホールディングスでは、断熱等級7に対応しています。
その他にもいくつかのハウスメーカーで、断熱等級7の住宅建築が可能です。
この記事では、断熱性能にこだわって注文住宅を建てたい方に向けて、以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 断熱等級の基礎知識
- 断熱等級7に対応しているおすすめハウスメーカー比較
- 断熱等級以外で断熱性能を判断するポイント
ぜひ最後までご覧いただき、快適に過ごせるマイホームを実現させてくださいね。
まとめて依頼
大手ハウスメーカーの特徴を一覧表で比較したい方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
1.断熱等級とは?
断熱等級は、正しくは「断熱等性能等級」といいます。
これは、熱損失等の削減のための対策がどの程度講じられているかによって決まる等級のことです。
基準は地域によって異なり、夕張や札幌、仙台などの寒さが厳しい地方はより厳しい基準が適用されています。
なお、断熱等級は元々5が最上等級で、ZEH水準に準じたものでした。
しかし、ZEH水準を上回る基準の住宅が建築されるようになってきたことから、高い断熱性能を正確に評価する必要性が生まれ、新たに断熱等級6と7が創設されました。
断熱等級6と7(戸建て住宅)の基準については、2022年3月25日に交付され、同年10月1日から施行されています。
参考:国道交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」
2.断熱等級7に対応しているハウスメーカー5選
ここでは、断熱等級7に対応しているおすすめハウスメーカー5社の特徴を解説します。
なお、断熱等級7に対応しているハウスメーカーであっても、すべての住宅商品・プランが断熱等級7に対応しているわけではありません。
断熱等級にこだわった家づくりをするときは、断熱等級7に対応した住宅商品を選んでください。
ハウスメーカー名 | 断熱等級7対応の住宅商品 |
---|---|
一条工務店 | グラン・スマート アイ・スマート |
日本ハウスホールディングス | 断熱 最高等級7の家 |
アキュラホーム | 断熱性能「最高等級7の家」 |
ダイワハウス | xevoGranWood(ウルトラW断熱仕様) |
タマホーム | えがおのいえ |
※エリアにより異なる
以下より、各社の特徴と住宅商品の詳細について解説します。
2-1.一条工務店
一条工務店は、東京都江東区に本社を置くハウスメーカーです。
モデルハウスは標準仕様よりハイグレードで設計されがちですが、一条工務店のモデルハウスは建築後のイメージがつきやすいよう「標準仕様」で設計されています。
一条工務店の「断熱等級7」対応住宅商品
一条工務店には、断熱等級7に対応した「断熱王」という仕様があります。
断熱王に対応しているのは、「グラン・スマート」と「アイ・スマート」の2つの住宅商品です。
元々すべての住宅が断熱等級5に対応し、9割以上の住宅が断熱等級6に適合(2022年時点)していたため、わずかな仕様変更で断熱等級7への対応が可能だったようです。
出典:一条工務店 公式HP
2-2.日本ハウスホールディンクス
日本ハウスホールディングスは、国産檜を積極的に使用した木造住宅に定評があるハウスメーカーです。
また、「シェアでんき」を利用することで太陽光発電システムの設置が無料になるため、自家発電を気軽に取り入れたい方におすすめです。
日本ハウスホールディンクスの「断熱等級7」対応住宅商品
日本ハウスホールディングスでは、「断熱 最高等級7の家」を提供しています。
断熱性能が高いだけでなく、気密性も高く、冬は暖かく夏は涼しく過ごせます。
2016年の省エネルギー基準を満たす住宅と比べると、光熱費を約半分に抑えられ、家計だけでなく地球環境にも優しい住宅が叶います。
また、日本ハウスホールディンクスの独自開発資材を使用した壁・床・窓は、高断熱仕様。
快適な暮らしを後押ししてくれる工夫が細部に見られるハウスメーカーです。
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2-3.アキュラホーム
アキュラホームは、適正価格で品質・性能・デザインクオリティに優れた住宅商品を提供するハウスメーカーです。
若い世代でも手が届きやすい価格帯と、エリアにあった住宅プラン、豊富なデザインバリエーションに定評があります。
アキュラホームの「断熱等級7」対応住宅商品
アキュラホームでは、高断熱・高気密・高熱効率を実現した「最高等級7の家」を提供しています。
「最高等級7の家」は暖かさだけでなく、耐震性にもこだわった住宅です。
木造5階建ての実大実験で耐震性能を確認し、万が一、地震により半壊・全壊した場合は住宅販売価格を上限として全額が補償されます。
また、オプションの全館空調システム「匠空調」を選択すると、空調1台で1年中室内が快適な温度・湿度に保たれ、電気代を抑えつつ、快適性が向上します。
出典:アキュラホーム 公式HP
2-4.ダイワハウス
ダイワハウスは、注文住宅以外にも、集合住宅や高層ビルなどの建築を手掛けています。
一般的な2階建てだけでなく、平屋や3階・4階建てなどの施工実績も豊富で、店舗併用住宅や二世帯住宅など多彩なプラン提案に強みがあります。
ダイワハウスの「断熱等級7」対応住宅商品
ダイワハウスの「xevoGranWood(ウルトラW断熱仕様)」は、鉄骨の技術を活かした木造住宅です。
断熱等級7への対応が可能なだけでなく、創エネ・畜エネにも対応し、暮らしやすさと地球環境への優しさを両立しています。
また、ダイワハウスでは、木造住宅ならではの温度のムラを解消する独自技術「遮熱外張り断熱工法」により、高い断熱性能の住宅を実現しています。
ZEH水準である断熱等級5は標準仕様でクリアし、顧客のニーズに合わせて断熱等級6や7にも対応します。
出典:ダイワハウス 公式HP
2-5.タマホーム
タマホームは、ローコストプランを提案しているハウスメーカーとして有名です。
基礎工事や大工工事などを各施工会社に直接発注するシステムを採用することで、若年層でも注文住宅が建てやすい価格設定を可能にしています。
タマホームの「断熱等級7」対応住宅商品
タマホームでは、断熱等級7に対応した住宅「えがおのいえ」を提案しています。
外壁ダブル断熱と基礎ダブル断熱、樹脂サッシ、Low-Eトリプルガラスなどのさまざまな工法や資材で高い断熱性能を実現しました。
断熱性能を高めるためには高額な資材や設備が必要なため、建築時の費用が高くなりますが、タマホームでは高耐候性と高耐久性により将来のメンテナンスコストを抑え、トータルで費用を軽減します。
断熱性能だけでなくコストにもこだわった住宅を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。
出典:タマホーム 公式HP
以上が、断熱等級7対応でおすすめのハウスメーカー・工務店です。
もちろん、今回ご紹介した以外にも優れた実績を持つハウスメーカー・工務店はたくさんあるでしょう。
しかし、全国に数万社あるといわれているハウスメーカー・工務店を自分たちだけで1社ずつ調べ、情報整理していくのは非常に手間や時間がかかり大変です。
特に、入居日に希望があったり、補助金申請の都合上ある程度スケジュールが決まっていたりする方は段取りよく家づくりを進める必要があります。
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3.断熱等級7対応ハウスメーカーで比較すべき項目
断熱等級7を満たしているハウスメーカーなら、断熱性能に関しては十分に高いと判断できます。
しかし、断熱性能以外の性能や仕様、サービスに問題がある場合は、住宅そのものの満足度が下がってしまうでしょう。
満足できるマイホームを完成するためにも、断熱性能以外の次の項目にも注目してハウスメーカーを選んでください。
断熱等級7対応ハウスメーカーの比較項目
- 坪単価
- デザイン
- 耐震性能
- 生活動線・家事動線
それぞれの項目について解説します。
3-1.坪単価
断熱性能が高い住宅は建築費用もかさむため、坪単価が高くなる傾向にあります。
坪単価があまりにも高すぎると、インテリアや外構に十分な予算がかけられなくなってしまうため、事前に各ハウスメーカー・工務店の坪単価を把握しておきましょう。
ただし、坪単価はあくまで「本体建築費用」を計算するための数字です。
注文住宅を建てる際には、「本体建築費用」のほか、「付帯工事費用」や「諸費用」もかかります。
また、選ぶプランによって同じハウスメーカー・工務店であっても、坪単価には差があります。
具体的な費用をイメージする際には、事前に「あなたが建てたい家」の資金計画を複数のハウスメーカー・工務店から提出してもらうとよいです。
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3-2.デザイン
住宅のデザイン性も重要な要素です。
デザインが好みに合うなら、住宅に対する満足度も高くなり、愛着も増します。
とりわけ外観デザインには、「ハウスメーカーらしさ」が表れる傾向にあります。
シンプルでモダンなデザインが得意なハウスメーカーや、洋風や北欧風をベースとした可愛らしいデザインが得意なハウスメーカーなど、ハウスメーカーの「らしさ」はさまざまです。
ただし、いきなり住宅展示場に行くと、最初に見たハウスメーカーに気持ちが傾きがち。
住宅展示場のモデルハウスは、一般的な仕様よりもハイグレードなものを採用しているからです。
一目ぼれで決めてしまうと、あとでより理想に近いハウスメーカーが見つかったり、予算やこだわりに合わなかったりとリスクを生む可能性もあります。
まずは自分に合ったハウスメーカー・工務店を絞り込んでから、目的をもって住宅展示場に行くようにしましょう。
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3-3.耐震性能
近年多発している大型の地震にも備えるため、「耐震性能」にも注目してハウスメーカー・工務店を選びましょう。
耐震性能を測る耐震等級には1~3があります。
等級1 | 建築基準法を満たす建物 |
---|---|
等級2 | 等級1の基準の1.25倍の耐震性を持つ建物 |
等級3 | 等級1の基準の1.5倍の耐震性を持つ建物 |
国土交通省の調査によれば、2016年4月に発生した熊本地震(地域によっては震度7が2回計測)において、耐震等級3の住宅の倒壊・大破は1棟もありませんでした。
また、無被害が87.5%、軽微・小破の住宅が12.5%と報告されています。(参考:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書のポイント」)
下記の無料サポートサービスでは、耐震性・断熱性に優れたハウスメーカー・工務店に絞って建築依頼先を探すことも可能です。
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3-4.生活動線・家事動線
暮らしやすさにこだわるなら、生活動線と家事動線にも注目してください。
生活動線が長い住宅は家の中での移動が多くなるため、生活が不便になります。
行ったり来たりするのが面倒になり、コミュニケーションが減ってしまうこともあるかもしれません。
また、家事動線が長いと、家事にかかる時間が増えます。
特に洗濯は、行ったり来たりが多い家事です。
洗濯機とランドリールームやベランダ、クローゼットが近くにまとまっている間取りなど、家事動線に配慮した間取りを提案してくれるハウスメーカーかどうかもチェックしてみましょう。
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4.断熱性能を判断する断熱等級以外のポイント
断熱性能は、「断熱等性能等級」以外のポイントでも判断できます。
ハウスメーカーや工務店によっては断熱等級について記載されていないこともあるため、断熱等級以外のポイントについても確認しておきましょう。
主なポイントとしては、次のものが挙げられます。
断熱性能を判断する断熱等級以外のポイント
- UA値・C値・Q値
- 断熱材の種類
- 窓の位置
それぞれのポイントについて解説します。
4-1.UA値・C値・Q値
断熱性能を測る数値としては、UA値とC値、Q値があります。
UA値 | 外皮(外壁や窓など)を通した室内の熱の逃げやすさ。数値が小さいほうが熱が逃げにくい。 |
---|---|
C値 | 家全体の隙間の大きさ。数値が小さいほど隙間が小さく、気密性が高い。 |
Q値 | 住宅全体の熱の逃げやすさ。数値が小さいほうが熱が逃げにくい。 |
UA値は床や屋根、外壁や窓などの外皮を通して逃げる熱量を測った数値です。
外皮1平米あたりの熱量で表示します。
C値は住宅全体の隙間面積です。
数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いといえます。気密性が高いと少ない熱量で室温を調整できるため、省エネ性能や熱効率が気になる方も要チェックです。
Q値は住宅全体の熱の逃げやすさを示した数値です。
Q値には換気による熱損失も含まれるため、より断熱性能を正確に判断したいときにはUA値が使われます。
4-2.断熱材の種類
断熱材の種類によっても、断熱性能が変わります。
主な種類と特徴は以下をご覧ください。
グラスウール | ローコスト。断熱性に加え、耐火性や吸音性、耐久性も高い。 |
---|---|
ロックウール | 耐火性や吸音性も高い。音楽スタジオの壁に使われることもある。コストは高め。 |
発泡ウレタン | 軽量で施工しやすい。耐水性が高い。難燃性ではあるが、グラスウールやロックウールと比べると燃えやすい。 |
発泡プラスチック | 軽量で施工しやすい。防音性と耐水性が高い。耐火性が低くコストが高め。 |
上記はあくまで一例で、断熱材にはほかにも種類があります。
素材によって断熱性能が異なるため、各ハウスメーカーがどのような断熱材を採用しているのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかを確認してみましょう。
4-3.窓の位置
窓の位置によっても断熱性能は大きく変わります。
室内の温度は窓から入り込む日射量に左右されます。
冬場は日射量を確保できることで暖かさを保ち、夏場は直射日光が入りにくいことで涼しさを維持できるため、日射量と太陽の角度をシミュレーションしてから窓の位置を決定してください。
ハウスメーカーによっては、事前に日射量と太陽角度のシミュレーションを行ってくれるケースもあります。
気になる方は営業担当者に申し出ておきましょう。
断熱性能にこだわって住宅を建てると、予想以上に費用がかかることもあります。
予算オーバーしないために大事なのは、綿密な資金計画を立てること。
しかし、1から住宅プランを作る注文住宅は、調べるべきことや考えるべきことがたくさんあり、自分たちだけで進めていると情報整理が追い付かなくなることが多々あります。
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5.断熱等級7の住宅で申請できる補助金制度・減税制度
断熱等級7の住宅は、ZEH水準や長期優良認定住宅などの基準を満たしやすくなるため、補助金制度も適用されやすくなります。
ここでは、利用できる可能性がある補助金制度・減税制度の概要を解説します。
断熱等級7補助金制度・減税制度
- 子育てエコホーム支援事業
- 住宅ローン減税
- 自治体の補助金制度
以下より1つずつ見ていきましょう。
5-1.子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業とは、高い省エネ性能を持つ新築住宅を建てるときや、省エネリフォームを実施するときに補助金を受給できる制度です。
長期優良住宅なら最大100万円、ZEH水準住宅なら最大80万円の補助金を受けられます。
なお、新築住宅を建築・購入する場合は、18歳未満の子どもを育てている世帯か、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯であることが条件となります。
申請手続きは登録事業者であるハウスメーカーが実施してくれるので、気になる点があるときは相談してみましょう。
出典:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」
5-2.住宅ローン減税
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して住宅を建てるときに適用される減税制度です。
制度の適用を受けると、年に最大35万円の控除が可能です。
控除期間は最大13年と長く、控除額は最大455万円になります。
ちなみに、2024年以降は、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅以外では利用できません。
出典:国土交通省「住宅ローン減税の借入限度額及び床面積要件の維持(所得税・個人住民税)」
5-3.自治体の補助金制度
自治体によっては、新築住宅に補助金制度を用意していることがあります。
自治体の補助金制度一例
- 【東京都】「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業
- 【神奈川県】はだの丹沢ライフ応援事業
- 【北海道】新築・中古住宅取得助成事業(定住促進制度)
ZEH水準住宅や省エネ住宅を対象としている制度が多いため、断熱性能の高い住宅を建てるときはチェックしてみてください。
まとめ
年間を通して快適に過ごせるマイホームを目指すなら「断熱等級7の住宅」はよい選択肢です。
断熱性能の高い住宅は、冬に暖かいだけでなく夏は涼しく過ごせるため、寒冷地にお住まいの方だけでなく、夏の暑さが厳しい地域にお住まいの方も検討してみましょう。
なお、ハウスメーカーにはそれぞれ得意分野があるため、断熱性能以外にも坪単価やデザイン、耐震性能、生活動線・家事動線にも配慮しながら複数のメーカーを比較検討してください。
時には無料サポートサービスも活用しながら、理想に近いマイホームへの最短距離を探してみてくださいね。
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